これは、食品関連事業者全てに課せられた責務です。その中でも食品廃棄物を年間100t以上排出する事業者は、達成できない場合、罰則が適用される事ことになります。
チェーン店を多く持つコンビニエンスストアやファストフードなどは、各店舗ではなく、全ての店舗の食品廃棄物を合算しますので、かなりの数の事業者がこの罰則規定の対象になります。
こうした状況を背景に、最近、食品のリサイクルが積極的に行なわれるようになったと感じます。
食品リサイクルの方法には、飼料化・たい肥化・バイオガス化などがあります。
→飼料にするためには、鮮度を保たねばならず、冷蔵設備を備えた運搬車の使用などコストがかかる。飼料の提供先を確保する必要がある。また、弁当などのごみの場合、容器を取り除くことは手間のかかる作業なので機会による除去を行なうが、完全にプラスティック容器を取り除くことができず、結果、家畜にプラスティックも食べさせることになり、安全性に不安が残る。
→たい肥化するためには、出来たたい肥の活用先確保する必要がある。
今日は、この中の食品ごみからバイオガスを取り出して発電する技術を持つ「株式会社エキシー」に行ってきました。
この仕組みは、ごみの中から生ごみだけを分別し、指定のサテライトと呼ばれるごみ保管コンテナに投入。その際、本人確認のためのICカードによって認証させなければごみの投入はできない。また、投入物が原因のトラブルも誰が投入した時に起きたのかがすぐ確認できるため、維持管理に役立つ。投入するとコンテナ内でミキサーにかけられ液状に。サテライトはコンピュータ管理されていて、いっぱいになると発電センターに自動的に連絡が行き、その連絡を受けて回収者が回収。そのため、収集の効率化を図ることが出来輸送コストを削減できる。回収され液状になっている生ごみは、バキュームで発電施設に充填。そのため臭いも出ない。分解を促進するために水を加える他は何も加えずにバイオガスが発生。そのガスを使ってタービンを回し発電。
食品リサイクル法に定められたリサイクル率20%を達成するために、今後、ますます様々な形の食品リサイクルが導入されるようになっていきますが、単に、20%を達成するためのリサイクルにとどまることなく、その事業者にとって有効なリサイクルの方法を、地域が選択していかなければなりません。
バイオガス発電によって、非常時の電力が確保できるというのもまた、このリサイクルの大きな利点の一つであると思います。
*写真は、小規模な発電施設。手前右から液状になった食品を投入する