そこで、23区排出のごみのうち清掃工場で焼却している量と清掃工場の焼却能力について調べてみました。

 お手元の棒グラフ(資料3)の平成22年までが清掃工場に持ち込まれたごみ量実績を示していて、23年以降は一部事務組合が示しているごみ量の予測です。
 上部の折れ線グラフは、清掃工場の施設整備計画の総量を表しています。
 これを見るといくつかのことが分かります。
①まず、平成13年から平成22年までゴミが減り続けていること。平成20年にいったんゴミは増えますが、これは、それまで不燃ごみだったプラスチックが可燃ゴミになったために増えたものです。しかし、いったん増えたものの、平成22年には、プラスチックが不燃ごみだった時期よりもさらにごみ量は減っています。
これは、23区民の社会全体の環境志向に伴う、包装類の簡易化、環境意識の高まりによる資源回収の拡大や、景気の低迷などが考えられます。
②一方で、ゴミは減り続けていながら、施設整備計画は、平成23年以降横ばいです。それを裏付けるごみ量予測も横ばいになっています。

23区の清掃工場に持ち込まれるごみが減少しているように大田区のごみも減少を続けています。たとえば、大田区では、(資料4)平成12年には247,801トンだったごみが22年には203,992と18%。約2割も減っています。

中でも、焼却処分される可燃ゴミは平成12年には(資料4)174,748トンでしたが、平成22年には142,516トンとやはり19%=2割程度へっています。一方で、焼却処理を担っている一部事務組合への分担金ですが、(資料5)平成12年も平成22年も約31億円とぼぼ同額です。

しかし、大田区の負担額はほぼ横ばいですが、一部事務組合の総予算は8%も増えていることに注目する必要があります。

(資料5)をみていただくとよくわかるのですが、分担金は、必ずしも平準化されていません。なぜなら、清掃工場の施設整備に伴う組合債の償還期のピークが平成22年だったことによるものです。建設費である固定費が大きく影響しているからです。
 一組経営に施設整備費がいかに大きく影響しているかということです。

 例えば、平成12年から22年ではごみ量は、30万tも減っています。
 一部事務組合は、清掃工場の稼働日数を年間約300日、余力12%としていますので、その数字で計算すると30万tのごみを処理してきた清掃工場の能力は日量で1,136tにもあたります。10年で300tの炉が少なくとも3つは不要になったほどのごみの減り方だったということです。
 ところが、焼却能力は一向に変わりません。

 ごみが減るのに分担金が減らない背景に清掃工場の施設建設費が大きくかかわっているいことがわかります。

 一部事務組合は、23区の可燃ゴミを処理するために、23区が共同出資し設立した地方公共団体であるにもかかわらず、23区が策定したごみ処理計画と全く遊離したところでごみ量予測を行い、それに基づき施設整備計画を策定しています。しかし、一組のごみ量予測と各区のごみ量予測にかい離などあり得ず、それを認めるなら、共同処理の前提は崩壊します。
共同処理の設立目的からかけ離れた、いわば東京都時代の論理がそこにはそのまま継続されているのです。

【①】災害廃棄物広域処理の背景にある清掃工場の余力という大きな問題【③】災害廃棄物広域処理の背景にある清掃工場の余力という大きな問題