介護保険を申請したが、認定が降りる前に被保険者が亡くなった場合、その費用負担はどうなるのか。

・被保険者か(利用者)
・事業者か(介護保険サービス提供事業者)
・保険者か(自治体)

これは、当事者でないと実感できないと思いますが、介護保険を使う人なら誰もが当事者になる可能性がありますが、現状の運用に課題があると考えますので報告します。
介護保険は、

介護保険法第19条第1項に、

「介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、市町村の認定(以下「要介護認定」という。)を受けなければならない。」

とあるように、①介護護給付(施設介護サービス費の支給を含む)を受ける場合、要介護認定を受けなければなりません。

一方で、
②要介護認定の効力は、申請日にさかのぼりますので、申請日から認定日までの間でも暫定ケアプランを作成し、それにもとづく介護保険のサービスを利用できます。

ただし、認定の結果が暫定ケアプランで想定した要介護度より低い、もしくは「非該当」であった場合、その分の費用は全額自己負担となります。

このの運用により、通常、③介護保険認定申請と同時に、被保険者は介護サービスを利用しています。

ところが、申請し、サービスを受けたものの、認定がおりる前に被保険者が亡くなるケースがあります。

認定がおりる前には2つのケースがあり、認定調査を行なっている場合には、被保険者が亡くなっていたとしても認定を行い、その結果にもとづき介護給付されます。

・認定調査を行なっている⇒認定しおりた介護度に基づき給付

・認定調査を行なっていない⇒?

【認定調査前に提供したサービスは誰が負担すべきか】

介護保険に従えば、利用したサービスは、介護保険で担保されませんので、保険外、つまり被保険者が、全自費負担することになります。

◆参照◆
全国介護保険担当課長会議資料H110917

http://nasu.seikatsusha.me/files/2013/02/88b80d144b77598b398212073489f589.pdf

それでは、認定申請に関るケアマネ等の事務費用も被保険者が負担すべきでしょうか。
それとも、事業者が負担するのでしょうか。
介護保険は提供したサービスに対し給付されるしくみですから、一般の経済活動で行なわれている仕損、差損などの経費の上乗せはどこにもありません。
事業者に負担させるという考え方は、介護保険という仕組みで考えれば理屈に合わない気がします。

【保険者(自治体)が負担しているケース】

一方で、こうした認定前に被保険者が死亡したが、既にサービスを利用しているケースについて、保険者(自治体)が負担している自治体もあります。

被保険者、事業者、誰も悪意や大きなミスをしているわけではありません。被保険者(区民)のすみやかな介護保険利用を考えれば、私は、自治体が負担するのが妥当ではないでしょうか。

仮に、これを被保険者や事業者の負担とするなら、介護保険事業者は、自費負担となることに慎重になるあまり、介護認定がおりてから利用をするよう被保険者に求めることにもなりかねません。

一方で、認定調査が終わっていれば、認定はおりるわけで、保険者(自治体)が、認定調査を速やかに行なっているのか、という問題意識もあります。

保険者(自治体)が認定調査員の派遣をすみやかに行なっていないにも関らず、認定がありるまえに被保険者が亡くなった場合、その間の利用サービス負担を被保険者や事業者に転嫁するのも問題です。

介護保険を利用する被保険者の状況が急変することは、決してまれな事ではなく、私が事業者なら、申請と同時に調査員の派遣を希望したいところです。しかし、いつのときも、申請と同時に調査員を派遣するというのは現実的は無いでしょう。

【求められる大田区の判断】

認定前に被保険者が亡くなり、利用サービスを誰が負担すべきかという問題について大田区と話し合ったのは、今回が初めてではありません。
前回も、大田区として、認定前に死亡したケースについてのルールを作って欲しいと要望しましたが、個別事例として処理されていた事が今回になって判明しました。

議員が同席して掛け合うと「大田区負担」で、それ以外は事業者や被保険者が泣き寝入りするというのでは困ります。
毎回、毎回、被保険者、事業者に対し、大田区職員、議員が数時間やり取りをするのに一体いくらの人件費をかけるのでしょうか。個別事例にせず、大田区としてのルール作りが求められます。

ここでいう要介護被保険者とは、「要介護認定を受けた被保険者」
のことであり(同法第41条参照)、要介護認定を受けていなけれ
ば、施設サービスを受けてもその分の費用は市町村から支払われ
ないこととなります。