国の基準変更に伴う区条例改正に考える、お風呂屋さんの浴槽は、大腸菌の数だけできれいと言えるか

国の基準が変わり、浴槽の水質基準が、大腸菌群から大腸菌の数に変わったので、大田区の条例改正案が出されました。

これまでは、
大腸菌やそれ以外の菌の数が、1ml中1個以下でしたが、
大腸菌が1ml中に1個以下なら、

水質が保たれていることになったのです。

大腸菌を調べる検査の精度があがったから、と区から説明をうけましたが、大腸菌以外のその他の菌を不問にするので、

大腸菌さえいなければ、問題の無いお風呂になってしまいます。

今は、区の職員の経験と知見から、お湯をとり換えるなど、適正な指導が行われていると大田区から聞きましたが、条例が変わって時がたてば、知見が失われ、マニュアルだけがたよりになるかも知れません。

日本の古くからの浴槽での入浴の慣習や、銭湯の文化と、大田区の観光資源である銭湯の質の向上のために、条例改正には賛成できませんでした。

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詳しくは、、、

 

この改正は、国の法改正にも伴い、大腸菌群数1ミリリットル中1個以下としていた浴槽水の水質基準を大腸菌数に変えるものです。

検出すべき対象となる菌数を感染源となる大腸菌だけにするので、大腸菌以外のその他の菌を不問にしてしまい、その他の菌が多く、水が汚れていても大腸菌さえいなければ、問題の無いお風呂になってしまいます。

大田区は汚れは過マンガン酸カリウム消費量で測定すると言いますが、厚生科学審議会の専門部会の資料に

★水中有機物の指標としては不十分
★個人差が大きいうえ、同一人が実施しても精度が悪い

などの指摘があるうえ、

大田区の条例中、過マンガン酸カリウムや、濁度は、
区長の判断で使用しなくて良い項目になっています。

大腸菌さえいなければ、保健所の検査を通る基準になってしまえば、汚れは不問にして、大腸菌対策のため、塩素を多めに入れるかもしれません。

今は、区の職員の経験と知見から、お湯をとり換えるなど適正な指導が行われているそうですが、規制が変わって時がたてば、知見が失われマニュアル化されるかもしれません。

日本の古くからの浴槽での入浴の慣習や銭湯の文化と、大田区の観光資源である銭湯の質の向上のため、反対いたします。

 

大田区公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例

に反対し、反対の立場から討論いたします。

この改正は、国の法改正にも伴い、大腸菌群数1ミリリットル中1個以下としていた浴槽水の水質基準を大腸菌数に変えるものです。

大腸菌の数を検出できることから、感染源となる大腸菌の数で水質基準をはかるよう変えるものです。

大腸菌群の時には、1ミリリットル中に大腸菌以外の菌が存在しても、水質基準を超える為、改善が必要でしたが、対象が大腸菌だけになりますので、その分、水質基準は緩くなります。

しかも、検出すべき対象となる細菌を感染源となる大腸菌だけにすれば、感染症の予防にはなるかもしれませんが、

基準が変わることで、水質がより良くなるかと言えば、

逆に、大腸菌以外のその他の菌を不問にしまいましたので、

その他の菌が多く、水が汚れていても大腸菌さえいなければ、問題の無いお風呂になってしまいます。

今は、区の職員の経験と知見から、お湯をとり換えるなど、適正な指導が行われていると
大田区から聞きましたが、

条例が変わって時がたてば、知見が失われ、マニュアルだけがたよりになるかも知れません。

将来、そうなれば、
公衆浴場の浴槽水は、大腸菌さえいなければ、保健所の検査にひっかかりませんから、

水をとり換える頻度が低くなるのではないか
というのも心配です。

最近では、自宅に浴槽が無く、シャワーだけの家も増えてきています。

銭湯を売りにする大田区ですから、

大腸菌だけでなく広く対策していただきたいと思います。

一方で、
日本の塩素やレジオネラ菌対策のモノクラミンの基準は、
上限が無く、過剰に使われても違法にはなりません。

そのため水道水の塩素臭が気になる、お風呂やシャワーの水が肌に及ぼす影響が気になる、方も増えてきています。

日本の古くからの公衆浴場の文化を数値化し、基準とマニュアル化で、無味乾燥で低品質なものにしてほしくないので、反対いたします。