【2月25日質問(その3)】全国保健所長会が感染症法改正(案)に「誤解を募らせる懸念」と意見
感染症法改正の際に、誤解を募らせる懸念を保健所長会が出すなど、法規制の在り方について、意見を出しています。
こうした懸念は、根拠の無い空気が、過剰な制約をかけないか、という心配にもつながると思います。
繰り返し流されるマスコミの報道は、真実だけでも、虚偽だけでもなく、また、報道する側の意図がそこにあるため、私たちは、高度な判断を求められます。
行政の情報提供の在り方についても質問しました。
新型コロナを法律上、「新型インフルエンザウイルス等感染症」に位置付けることで、病原性・感染性の高い、かなり恐怖を抱かせる疾患であるという概念が、一般市民、医療従事者に誤解をつのらせる懸念がある。
と言うのは、裏を返せば、実態より、病原性・感染性が高いと印象付けられる懸念を指摘しているのだと思います。
この印象は、法律上、「新型インフルエンザウイルス等感染症」に位置付けることに加えて、マスコミほかの情報にもあると思います。
「特別な病気」としたイメージが広がり、診療拒否や受診控えや、地域医療体制のバランスを崩すことになりかねないという意見も重要で、今の医療現場における受診控えなどにより、診療所の経営が厳しくなっていると聞いています。
WHOは、「難民や避難民のためのパンデミック・インフルエンザに対する備えと緩和」という文書で、医療資源の乏しいコミュニティにおいて「ソーシャルディスタンス」を推奨しています。
世界でも医療資源の豊かな日本で、医療資源の乏しいコミュニティに推奨されるソーシャルディスタンスを取ることや、マスコミ報道などで「特別な病気」としたイメージが広がったことによる診療拒否や受診控えなどが、地域医療体制のバランスを崩し、逆に、医療資源を乏しくすることになりつつあります。
ところがこうした保健所の声は、なかなか、届かず、マスコミ報道やネットなどの情報が、世論となり、多くの人が影響され、根拠となる法などが無いにもかかわらず同調圧力などで、結果として自己選択の無い強制になる事例が目につきます。
区民生活において、必要以上の自粛やたとえばマスクの着用などが行われ、生きる上で必要な人との対話やコミュニケーションはじめ、基本的人権が失われるのは問題だと思います。
先日、大田区立小学校の就学前検診で、グループで検診を受ける際に、マスクを着けずに入った方が、注意され、歩いてポケットからマスクを出しながら進むと、
先生がその方の後ろを歩いていた方たちを止めて、後ろの方に、
「前の方がマスクをしないと、ここから先へはご案内できません」
というふうに言われたとききました。
学校に確認中ですが、その方は、ご自身ではなく、後ろの方が止められて言われたことがショックだったそうです。
私は、マスコミほかが作り上げる空気感が、法的根拠の無い、強制や状況を容認していることが、更なる人権侵害につながるのではないかと恐れています。
ところが、行政内部でも、そうしたことの積み重ねによる空気がどんどんと広がっているようなのです。
補正予算にも当初予算にもワクチンの予算が計上されています。接種を望む方もいれば、どうしようか悩んでいる方もいると思います。ワクチン接種に法的強制はなく任意で、保健所にもそのように確認しています。
そこでうかがいます。
大田区として、ワクチン接種は強制ではないことを含め、コロナ感染防止策において、正確な情報を伝えるべきだと思いますが、いかがですか。
【答弁】
新型コロナワクチン接種については、昨年12月に施行された改正予防接種法で「接種は国民の努力義務」とされ、この規定は、他の予防接種と同様に、接種するか・しないかは、区民自らの意思によるものであり、強制力はない。予防接種を受けていない方が社会生活を営む上で差別を受けることや、不利益を被ることは、あってはならないと認識している。区は、区報やホームページなどを通じて、新型コロナワクチンの有効性や副反応など、正しい情報を適切に伝えるとともに、区民が強制ではなく、自らの意思で接種するか、しないかを判断できるよう、わかりやすく情報提供していく。また、予防接種を受けなかった区民に対して、差別や不利益が起こらないよう、人権問題を担当する担当部局とも連携しながら、区民に対する啓発活動を推進していく。引き続き、ワクチン接種を含め、新型コロナウイルス感染防止策全体について、国や都と連携し正確な情報を区民に伝えていく。