点検した際に撮った写真を映写しながら、商店の現状と問題点について、様々な立場から発表しました。
車いすやベビーカーでは入ることの出来ないほど狭い入り口や、視覚障害者がつまづいてしまうほど道にはみ出した陳列、積み上げられた商品やすべりやすい床面。
しかし、発表された問題点は、必ずしも障害を持つ者だけの問題(バリア)ではありません。
発表会後に行われた静岡文化芸術大学の古瀬敏先生の『バリアフリーって何だろう』と題された講演会でもお話しいただきましたが、これから進んでいく高齢化社会の中、まちや物の持つバリアは、一部の少数派の問題ではなく、多数派の問題になってきます。
個々のバリアに対応し、まちづくりを考える、或いは、商品開発するのではなく、全ての物が、まず、バリアのないことが前提になってきます。これが、ユニバーサルデザインと言われるもの。
【ユニバーサルデザイン】には、①安全で、②アクセシブルで、③使い勝手が良く④値段が手ごろで、持続可能性をもち⑤美しいと言う条件が必須になると古瀬先生はおっしゃっています。
ある商品を、ある特定の障害に対応できるように作るとそのコストは非常に高くなりますが、全ての商品にその機能を持たせることで、コストの低減を計ることが出来ます。
今後の高齢化がコストパフォーマンスをより高めてくれますから、ユニバーサルデザインは、今後の商品開発の要であるとも言えます。