【自主財源の確保をめざして】
2年を経過した「やさしいまちづくりの会」の活動にも様々な課題がある。
その中でも、今年、特に取り組んでいるのが、自主財源の確保と、組織の自立だ。
会の発足に、区が、密接にかかわっていること、また、東京都の「福祉のまちづくり地域支援事業」の補助を受けていることから、事務局機能は、保健福祉部内に設置されている。
「やさしいまちづくりの会」として、事務局機能は設置しているが、実際に、月一回行なわれる運営委員会の会議室の手配や、会議の資料の準備などは、保健福祉部内の担当係長が行なっている。
区との良好な関係を築いてこられたのも、こうした組織運営によるところが大きいということは、メンバー皆、わかっている。しかし、昨今いわれる行政(=大田区)との協働を、真に進めようとしていくならば、今のかたちに限界のあることにも、メンバーは、気づきはじめている。単なる行政の下請け機関であってはならないと思っている。
それを実践していくためには、構成員ひとりひとりの強い意志と、そして、「やさしいまちづくりの会」としての自主財源の確保が欠かせないと考えている。
現在、私たちが行なっている活動は、全て、無償のボランティアで行なっている。それどころか、交通費などの実費さえも、自己負担。メンバーは、全員、手弁当で活動している。
【ノウハウ活かし自主事業の確立へ】
今年は、初めて、私たちのような市民活動団体に出される助成金の申請を「やさしいまちづくりの会」として行った。結果、年間、約10万円の財源を得ることができた。今、お読みいただいているシルバー産業新聞のコラムの原稿料も「やさしいまちづくりの会」の活動費になる。
しかし、これらの財源だけでは、あまりにも少なく、活動も制限される。また、こうした助成金や、一時的な原稿料だけを会の活動資金としてあてにすることは、あまりにも不安定で、会の運営上好ましくない。
今後は、私たちのノウハウをお金に換えるしくみ、つまり、自主事業を確立することを考えていかなければならない。
或いは、私たちの活動に賛同してくださる方たちから、会費・賛助会費を徴収することなどもひとつの方法ではないだろうか。
あらゆる可能性を視野に入れ、自主財源の確保と組織の自立を目指していきたい。