以下に、質問の概要と答弁をご報告いたします。
また、次号以降に、ほぼ原文どおりの質問を掲載します。
【大田区区民活動との連携・協働に係る基本方針について】
今後の「協働」を進めていくうえでの方向性を決定し、大田区の市民参画、住民自治の重要な位置づけとなる「大田区区民活動との連携・協働に係る基本方針」が、10月に公表されました。
しかし、基本方針等策定検討会〔(通称)パートナーシップ会議〕が発表した答申書に比べ、区がどのように協働を進めてのいくのかが非常にあいまいで、方向性を指し示すべき「基本方針」としては、物足りないものになっています。
そこで「基本方針」の問題点を指摘するとともに、協働の推進についての区の姿勢について質問しました。
協働は、ともすれば「区民活動団体」が、これまで行政が担ってきた業務を一方的に肩代わりするだけの下請けという位置づけになりかねません。
行政の透明性を高め、区民活動団体等の区民の立場から協働に相応しい事業について提案できる制度を構築してはという提案に対して、区長の回答は、区民活動が活発に行えるような支援環境に努めるという消極的なものに留まりました。
また、答申書では「区民協働推進会議」の条例設置を求めています。しかし「委員の自由な討議や活動を担保するため条例で定めない」と記述された基本方針のとおり区の付属機関となり区の関与が強くなるので条例設置しないという区の回答は、条例設置が自由な討議や活動を制限するという意味であり納得できません。
一方で、「区民活動基金」は条例設置し、運用・運営は区民協働推進会議が行うべきという質問に、そのように考えるという回答を得ましたが、区民の寄付により成り立つ基金の条例設置は当然で、それを運営・運用する「区民協働推進会議」が条例設置では無いというのは問題です。
最後に、昨年度の第三回定例会において、区長が発言した区民の協働に関する条例制定を区民参画で行うことの具体的な方法について問いました。実行されるためには、一日も早い条例案の区民への提示と、パブリックコメントや区民説明会などを実施する必要があると指摘しましたが、これに対しての区長の回答は、答申書の基本方針に沿った内容で条例検討を進めるというあいまいなものでした。
区長の昨年の議会での発言どおり、区民参加で「大田区民協働推進条例」が設置されるのかどうか見届けていかなければならないと考えてます。
【企業の協働と企業の社会的責任(CSR)】
企業の社会的責任(CSR)が、多くの利害関係者にまでも及ぶように、行政の社会的責任も、利害関係者に対してまで広く及びます。今後、「区民活動団体」や「気ふょう」との協働により、新しい公共を作りあげようとしていく大田区が、新しい公の担い手に対し責任を求めていくことについての区の姿勢について質問しました。
それに対し、当然社会的責任を負った立場で参加してもらうという回答を得ました。
区の事業をになっていく企業の労働、環境、人権、情報開示などについても、今後区は、チェックしていく仕組みを作っていかなくてはなりません。