西行政センター移転の理由:その1

行政の区民への【説明責任】と【情報公開

 大田区の区役所は蒲田の駅前にあります。
 
 それとは別に、大田区を東西南北の4つの地域に分け、区民に直接係ることなどを各【地域行政センター】が担っています。

 そのうちのひとつを移転する計画が、4月14日の総務財政委員会において報告されました。
 
 委員会において「雪谷大塚駅周辺における大田西地域行政センター移転等整備について」と題された書面が配布され、『西地域行政センターと西地域行政センター分室を統合・移転するために、水道局用地と隣接する民間企業用地の3つを交換等により有効に活用する』ことが示されているものの、その後のこの事業に関する説明資料は、区民・議会に一切配布されず、事業内容は明らかになりませんでした。

 こうした状況の中で、今回の臨時会において、約10億円をかけて移転用地を購入するという補正予算が計上され、審議をすることになりました。

 委員会直後から、再三の計画についての詳細な資料の要求をしてきましたが、担当は、「無い」と言う回答。
 それでは、審議に間に合うよう作成してほしいといっても「出せない」という回答で、一体何を根拠にこの補正予算を審議してよいのかわからない状況でした。

 大きな事業決定に際し、様々な検討の文書が存在しないというのが事実であれば問題ですし、あるのにそれを出せないと言うのもまた問題です。
 
 ないのであれば、無いと言うことを明らかにするために、そして、あるのに出さなかったのであれば、また、それを明らかにする必要があると考え、この事業計画についての文書の開示請求を行いました。

 時期的に間際で、担当者が開示までに通常2週間程度かかると言っていたため、臨時会当日には間に合わないかとも思いましたが、臨時会当日の朝に開示決定のおりた連絡がありました。

 再三要求していた文書を「無い」それでは作成して欲しいにも「出せない」といっていた文書ですが、結果としては、要求していた以前の日付で何種類かの文書が開示されました。
 
 文書の一部は委員会において委員(議員)に配布されましたが、一部であり、委員会において審議の根拠となる資料を入手できる委員とそうでない委員がいるというおかしな状況になりました。

 開示された文書が、予算執行にあたっての政策決定の根拠として十分なものであるかどうかは別にしても、審議に必要な文書を開示請求しなければでてこない。結果として、臨時会当日、委員(議員)に配布されるというのは問題です。

 規模は異なりますが、豊島区で区庁舎の建て替えにあたり協議会が設置されたという記事がありました。
 単なる土地建物の購入ではなく、庁舎建て替えや、今回の大田区西行政センターの移転は、区施設の建て替え・移転を通じ、まちづくりをどうするか、区民の利便性をどのように向上させていくかをさまざまな可能性をふくめ深く検討しなければならない場です。

 意思決定過程・根拠の不透明さ。情報公開に対する姿勢について区はあらためて考える必要があります。

 具体的な問題点については次回に。