「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」が5年前の6月に蒲田駅周辺のバリアフリー点検を行なった際、様々なバリアの課題が見つかりました。
トイレ・点字ブロックの上の放置自転車・歩道と車道の段差・・・・。
点字ブロックの上に放置された自転車の問題は、まだまだ解決できていませんが、それぞれの課題は、ひとつずつ、すこしずつ改善してきています。
そうした中で、放置自転車と共に、解決困難であり、不自由をきたしていたのが、蒲田駅から東西口への自由通行の問題でした。
現在、車いすやベビーカーで蒲田駅の改札から、外へ出るには、駅ビルのエレベーターを使用しなくてはなりません。駅ビルの営業日の営業時間内なら西口へは出ることが出来ますが、休業日や営業時間外になると出ることができません。
しかも、東口は、エレベーターを使用する前に、改札口と駅ビルとの間に階段数段の段差があるため、人を呼び階段昇降機を使用しなければなりません。
「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」では、東西自由通行を実現するために、
①事業者や行政、議員を招いて自由通行のための学習会の開催
②環境福祉展、シルバー産業新聞などでのアピール
③駅ビル事業者・JRの各部署・行政などへの要望
などを行ってきました。
新たなエレベーター設置が無理であるなら、エレベーターの運転時間の延長や駅ビル内に設置されている段差解消機の無人運転を可能にすることなど少しでも現状を改善出来ないかといった取り組みも行ってきました。
「段差解消機」については、建築基準法上、無人運転も改修をくわえることにより可能であることを学習し、設置者である駅ビルに要望に行きました。
しかし、懇談会、直前に六本木ヒルズの開店ドアの事故があり、法令上許されても、安全対策のためには、無人運転は行なわないといわれてしまった時には、そこをとは当然言えず、また別の方策を考えなくてはと途方にくれました。
今年からは、新たなエレベーターが設置され、改札口から東西口への自由通行が可能になります。
ここにいたるまでには、長い市民活動の道のりがありました。自由通行という到達目的ははっきりしているものの、一体、誰に、どこに対して要望したらよいのかもわからないままのスタートでした。
駅ビル、JR東日本、JR東日本東京支店、大田区などの各部署へ働きかけを行なってきましたが、5年かかっていることが示すとおり、必ずしも要望はストレートに伝わるものではなく、前進したかのようにみえて、また、後退したり、足踏み状態が続いたりの5年でした。
あきらめず、粘り強く、そしてまた、様々な機会を使いながら働きかけてきたことが良い結果につながったのでしょう。