◆西六郷一丁目敷地土壌詳細調査および土壌改良経費___4,305万9千円
平成15年に土壌汚染対策法が施行され、土地所有者は、土壌調査を義務付け
られると共に、除去をしなければならなくなりました。
新たな土地所有者は東京電力ですが、それまで所有していた大田区に除去の
責任は生じます。一方の大田区も、この土地で有害物質を使用してきたわけで
はなく、平成3年に購入しているため、本来の責任は、平成3年以前にこの土地
において、鉛などを使用していた事業者であると言えます。
しかし、平成3年から現在までに、既に15年以上が経過していて、求償権は
10年程度で消滅するるというのが最高裁判所の判断。大田区が、求償先が消滅
しているため、鉛の除去費用を負担せざるを得ません。
土壌汚染は、各地で発見され大きな問題になっていますが、それでは、今後
区として土壌汚染という問題に対し、何をしていかなければならないのでしょ
うか。
今回のように、求償権が消滅してしまう前に、土壌汚染原因者を特定する
ためにも、平成15年の土壌汚染対策法施行以前に購入した土地については、早
急な土壌汚調査が必要です。
一方で、「大森南工場アパート用地」「西行政センター建設用地」など、
大田区が購入した土地から、指定汚染物質が発見される事例が増えています。
これらの土壌汚染の費用は、現在のところ大田区が負担しています。
また、指定汚染物質ではありませんが、大田区が東京都から購入した「梅田
小学校体育館建設用地」には、飛散性アスベストの廃建材が放置されていたた
め、大田区は、莫大な費用を投じ、放置されていた飛散性アスベスト建材の処
分を行なっています。
今回、大田区が東京電力に売却した土地の汚染物質を除去したように、汚染
物質の原因者が誰である如何にかかわらず、所有していた者が汚染物質除去費
用を負担すると言うのが土壌汚染の基本的な考え方です。
今回の東京電力に売却した土地の鉛の除去費用を大田区が負担するのであれ
ば、こうした、大田区が購入した土地の土壌汚染の費用分担についても、区は
直近の所有者に対し求償していかなければなりません。
土壌汚染費用分担の考え方について明確にするべきです。