23区に先駆け、大田区が、プラスチックを可燃ゴミにしてから1年半が経とうとしています。
当初の一組や大田区の説明とは異なったプラスチック焼却による結果が次々と出てきています。
◆説明と異なるプラ焼却の影響◆
=その1=
〜微増にとどまらない温暖化ガス排出〜
昨年の第二回定例会において指摘させていただきましたように、温暖化ガス排出は微増であると説明してきましたが、
①可燃ごみが予想以上に増えたこと
②可燃ゴミに占めるプラスチック割合が予想以上に大きかったこと
から、微増にとどまらない、大幅な増加になることが明らかになりました。
温暖化ガス算出の前提は、容器包装リサイクル法対象のその他プラスチック(=現在大田区では可燃ごみとしているプラマークのついているお菓子の袋やシャンプーリンスなどのボトルなど)を横浜市や名古屋市並みにリサイクルした場合の予測値であるため、リサイクルしていない大田区が、その数値をもって微増と言うのは非常におこがましいことだったのです。
=その2=
〜助燃剤にはならなかったプラスチック〜
温度が上がりすぎ冷却のために使用する上水量も増加
プラスチックは、石油由来のため助燃剤であるガスを使わなくてよくなると説明されてきましたが、多摩川清掃工場に確認しましたが、プラスチックを可燃ごみとして焼却し始めてから多摩川清掃工場が助燃剤として使用している都市ガスの使用量が大幅に増え、焼却前の平成17年度は13,978㎥、平成18年度には8,360㎥だったのに比べ、年度の後半から大田区全域でプラスチック焼却を行った平成19年度には15倍近い143,556㎥になっています。
プラスチックが入って温度が高くなるのに、なぜガスを使わなければならないのか不思議に思っていましたが、ごみ発熱量増加に伴い、水をまいて温度を下げていることがわかりました。当然、多摩川清掃工場での上水道の使用量も増えていて、t当たりの水使用量は、1.3㎥から1.5㎥と1割以上アップしています。
プラスチックを燃やして温度が上がりすぎ、水を大量にまいて温度を下げると今度は、下がりすぎたとガスで温度を上げる。こんな笑い話のようなことが、現在、清掃工場で繰り返されていることがわかります。
【質問①】
プラスチックを可燃ゴミにしたことで、多摩川清掃工場では、ガス、水、苛性ソーダなどの使用量が増加しています。また、定格焼却量と呼ばれる、時間当たりの焼却量が、ごみカロリーの増加に伴い、2割もへっていることも明らかになっています。こうした状況になるとトンあたりの焼却コストは増えますか減りますか?どうなると考えますか?
【答弁①】
焼却コストは増える
◆増えるばかりのごみ処理費用/焼却費用も・リサイクル費用も◆
23区のごみを焼却する清掃工場の管理運営を行っている「東京23区清掃一部事務組合」の分担金は、毎年上がるばかりです。
これまでも、ごみ量は減るのに分担金が上昇するという状況でしたが、プラスチックが可燃ゴミに変わったことで、
今後は
①可燃ごみ量が増える
②トン当たりの焼却コストが上がる
③清掃工場建設のための組合債の償還ピークを迎える
という三重苦に喘がなければならない状況です。