結果として、子どもの保育環境は守れず、近い将来、子育て支援の需給バランスが大きく崩れるかもしれません。
大田区の場当たり的な子育て支援策では、子どもや保護者の視点にたった保育環境の確保と効果的効率的な区民の財産の活用にはつながりません。
【2】大田区が行っているの待機児対策と4つの問題点
4.長期的・戦略的視点にたった子育て支援計画
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大田区の保育園の民営化、民間委託の方針は、2002年7月に出されたきり、これで終わりなのかどうかも明らかになっていません。
昨年の4月に区は6年ぶりに保育士を採用していますが、これは、今後の私立も含めた認可園や認証保育所、指定保育室、保育ママなど大田区全般の保育のありかたを見すえての採用だったのでしょうか。
待機児緊急対策として、明確な方針も計画も公表されないまま、場当たり的に待機児対策に取り組んだ結果が、私立認可園を区が土地取得し建物まで区が建設したり、認可外保育園としての位置付けられるグループ保育室を区が施設整備したりという保育環境確保や適正な税金投入、公平な区民サービスの提供という視点から大きく外れた施策採用になってはいないでしょうか。
品川区では2年前から育休明けの入園予約を受け付けることにより就労継続を可能にする方策を講じています。ただ漫然と定員を増やすのではなく、区民の働き方や地域性などの需要をとらえたタイムリーで効果的な施策を計画的に講じ、保育園や幼稚園など既存の施設の強みを最大限に生かす工夫をすることが今求められています。
「未来プラン10年」は名ばかりの計画で指針の役割をはたしていません。
大田区の保育園のありかたについて、私立幼稚園の今後の在り方も含めた大田区の子育て支援をどうしていくのかという長期的視野に立った計画をたてるべきであると考えます。