地方自治体自らがすみやかに取り組めるしくみにあります。
地方分権が進むということは、
内閣や官僚、国家議員が持っている財源や権限が、
首長や議会の議員に移譲されていくということですが、
大田区長や区の職員、そして大田区議会議員に移譲されたからと言って、
それが私たちの生活課題を解決するしくみに
直結するかと言えばそうではありません。
地方分権が進まない理由として、
最後の自治省の事務次官として務められた二橋正弘さんは、
中央省庁が地方を信頼できないから任せられない
ということをコメントしました。
内閣地方分権改革推進室も自治体が、
「適切な判断ができない」「公共性を担保できない」
「需要の判断ができない」「利用者の生活安全を守れない」
「質の確保ができない」などと決めつけ分権に反対しています。
現在の、国が地方に一律のメニューを押し付けるしくみのままで、
市民の生活課題を解決し得なくなっているのは
明らかであるにもかかわらず、現状に固執する国の姿勢には、
大きな問題があります。
大田区としてなすべきは、国に、
こうした口実を与えるすきを作らず、
住民からの信頼を勝ち得るしくみを、大田区自らが作ることです。
「行政手続法」は、
1.申請の公正な処理の確保のため、判断の基準をできるだけ
具体的なものとしてあらかじめ用意し公にすること。
2.行政の意思決定について、その内容及び過程が
国民にとって明らかであること。
を求めています。
法で規定する必要があったということが、
行政手続きに課題のあることを示しています。
国の政治はそれでも、マスコミが報道するため、
今、何が課題でどのようなことが議論され、決められているのか、
その一部ではありますが私たちは知ることができます。
しかし、私たちに最も身近な
大田区政を知る機会はあまりにも少なすぎます。
大田区が情報公開に消極的だからです。
大田区の情報の公開の仕方に問題がありますが、
議会がそれを容認していることも問題です。
情報公開は、進められてきた分権を機能させるためにも重要です。