大田区財政悪化の社会的要因ではない、大田区独自の理由(その5)


■さらなる財政悪化の不安要因=空港跡地活用■

これまでの指摘は、いわば、基本的な財政における節約のしかたの考え方、数値のとらえ方ですが、今後の大田区の財政への影響と言う視点からの不安要因に、蒲田・大森のググランドデザインなど、未来プランに記載されている新たな財政負担を伴う事業があります。その中でも最も大きな不安要因は、空港跡地の問題です。

現在も、財政状況は厳しいのですが、それに加えて、震災の影響は、来年度の歳入にどこまで影響をもたらすか測り知れません。新規事業どころか、基本的な区民サービスの維持さえ、困難になる可能性もあります。
そうした中、大田区は、空港跡地を取得し、開発を行おうとしています。
特に、大田区が取り組もうとしているコンベンションセンター事業は、第三セクターで運営しても指定管理者制度を導入したとしても、既存の施設でさえ、自治体からの財政投入によって成り立っている極めて採算性の低い事業のため、大田区財政に与える影響は少なくありません。

【質問】

現在羽田空港跡地開発に関わる財政負担は、大田区財政をさらに悪化させると考えますが、大田区では、羽田空港跡地開発が財政に与える影響についてどのようにお考えですか?

仮に、大田区の財政悪化要因になると試算されるなら、そうした事業には取り組まないといった、厳しい姿勢で臨むべきと考えますがいかがでしょうか。

【答弁】

国の補助金など考えたい

国や都の補助と言っても、100%補助はありえず、一定割合は、大田区の負担になるわけです。
補助を受ければよいといのではなく、大田区の財政負担がどの程度になるか明確に示す必要があります。

空港跡地購入や開発手法という個別課題について、議会に賛否をとる場面が、出てくるとは限りません。大きく予算の賛否と言う形でしか、議会が意思表示を出来ないことも考えられます。

曖昧な、説明の中、事業に取りかかり、結果、予想外、想定外の事態がおきて、財政負担だけが残ると言ったことの無いよう、事前の、前広な説明と合意形成が求められます。

そこで、最後に質問です。

【質問】

大田区では、財政悪化の要因について、景気の悪化とそれに伴う生活保護世帯の増加、高齢化などと説明してきましたが、今日の私の質問を聞いていただき、その大田区固有の要因がおわかりいただけたでしょうか。

【答弁】
議員指摘のことはそう思う

今日、こうして、決算の場で、指摘させていただいたのは、来年の予算査定に反映していただくためです。様々な視点から、指摘させていただきましたが、来年の決算に同じ指摘をされること無く、今後の財政健全化に反映させていただくことを要望し、質問を終わります。