【③】災害廃棄物広域処理の背景にある清掃工場の余力という大きな問題

特に、東京二十三区成功一部事務組合は地方公共団体でありながら、実質住民のいない自治体となっていることが、地方自治における民主主義の基本である意思決定過程における市民参画を極めて困難にしています。一組議会は23区議会の議長で構成されていますが、実質議決するのは予算や一定規模以上の契約に限られ、その根幹をなす各計画や経営改革プランなどの方針には実質上関与できないしくみになっていて、そここそが今後改善すべき大きな問題です。

平成24年度で768億円という莫大な予算規模を持つ東京二十三区清掃一部事務組合ですが、23区は、実態として、各区の議長だけで構成されています。区長与党と呼ばれる議長で構成された一組議会が、はたしてどこまで一組をチェックする機能を担っているのか疑問ですが、そのうえ、一組議会の議事録さえ公開されていないのですから、民主的運営とは程遠い状況です。しかも、大田区においては、数代前の議長の時から、一組議会で配布される資料の閲覧を要望していますが、再三にわたり請求してきたにもかかわらず、未だに公開されていませんので、一組議会で何が議論されているのかさえわからない状況です。

 また、昨今、一組の重要事項を審議決定する23区長で構成される評議会、経営委員会なども全くといっていいほど機能していないように見えます。

たとえば、今回の広域処理についても、仮に都知事が受け入れるといったとしても、一部事務組合は別個の行政であり、合意形成は、一部事務組合の管理者が決定すべきことでは無く、各区がそれぞれに持ち帰り区内の意思を統一した上で、一組内での合意形成を諮るべきでした。
ここに、一組のあり方の問題が集約されています。

 一組と東京ガスとで設立したPPS事業を行う新会社=東京エコサービスの設立の際にも評議会での議論がおこなわれています。一組の一般廃棄物処理基本計画策定の際にも最終的な判断は評議会にゆだねられています。

一組規約や評議会規定によれば、重要事項は評議会にゆだねられており評議会構成区長の半数以上から請求があった場合には会議を開催しなければならないことになっています。今回の、23区外のしかも安全性において23区民が大きな不安を持っているこれまでの分類では産廃だったごみを受け入れるということは、一般廃棄物処理基本計画の変更にあたります。この重要な事項が管理者の独断により決定されることが許されるでしょうか。

特に、前回の質問で、議決事項は地方自治法第96条により制限列挙となっていてそれ以外は条例で定めることができると規定されてるけれど一組は、この条例が無いというという答弁は、何でも管理者が決められるということになりますか?それは、決めてはいけない、決められないことを意味するにほかならないのではないでしょうか。
議決事項に当たらなければ管理者が決めてよいという解釈は、一組の判断でしょうか? 

また、こうした、官主導の意思決定システムが、行政主体、市民不在の硬直した一組運営を容認し、コスト意識のない、組織維持のみを主眼に置いた経営体質を招いてはいないでしょうか。

一方で、大田区の清掃費もゴミは減るのにへってはいません。

その理由のひとつには、リサイクルの問題があります。
大田区でも現在、モデル地区において、容器包装類のリサイクルのモデル実施が始まっており、来年度からは、拡大される予定です。

しかし、リサイクルが目的ではなく、最終的な目的はごみ量の削減です。
しかし、現在のしくみでは、リサイクルのための収集運搬費用を、自治体が負担しているため、リサイクルすればするほど、自治体財政を圧迫することになります。
容器包装リサイクル法における拡大生産者責任が課題になります。
大田区もようやく、容器包装類のリサイクルが始まるわけですが、漫然とリサイクルするのでは無く、リサイクルがごみ減量につながるためのしくみ構築への働きかけが重要であると考えます。今後も大田区として、また23区長会として容器包装リサイクル法改正への積極的働きかけは必要です。

一方で、リサイクルが拡大に伴い、収集運搬コストが増大するといわれていますが、ごみ・資源の総量が減っていることは、これまでも指摘しているとおりです。
単純に考えれば、同量のごみと資源の区分が変わることによる、配車や車の大きさなどの関係から、コストが増えることは一定程度予測されるものの、からなずしもそれが清掃費拡大につながることを容認するわけにはいきません。
リサイクルの拡大による、清掃費の増大は主に分別費用だからです。

たとえば、ごみ収集は東京都時代からの経緯から雇上会社と呼ばれる特定の企業が独占的にこれを行っています。覚書が根拠になっている、東京都時代のいわば遺産的位置づけです。この雇上会社も契約段階的に競争原理を導入していくはずでしたが、最近はさっぱり話題にもなりません。

他の分野において、契約の競争性や質の担保が求められている中、清掃事業だけにその独占を許すことにどのような根拠と正当性があると23区民に説明できるでしょうか。

しかも、こうした特定の企業が公共サービスを独占するという雇上の問題が課題となっているうえに、リサイクル枠が拡大するにつれ、リサイクルの収集については、リサイクル協議会という雇上会社にまたいくつかの企業が加わった閉じられた企業グループがリサイクルの収集を行うようになってきています。
 清掃事業における民間委託における雇上、リ協の存在についてどう考えますか。雇上問題はどうして棚上げになっているのでしょうか。また、公平性、効率性の担保された安定的ごみ収集確保のための改善策はどうしていくのでしょうか。

*今日はとりあえず、原稿をアップします。
 実際の質問は原稿とは異なります。また、答弁に対し、追加でさらに発言した項目もあります。