強大化する 行政+企業=権力
仕事で自治体ビジネスを担当してらっしゃる方も多いと思います。
仕事として取り組む自治体ビジネスは、やり方によっては、企業に大きな利潤をもたらすビジネスチャンスです。
一方、企業の社員として働くみなさんは、同時に、納税者であり、行政サービスを受ける住民でもあり、物を購入する消費者でもあります。
大田区は、自治体ビジネスで企業に利潤追求をゆるすようになりました。
自治体ビジネスでもたらす企業の利潤は、私たちが支払う税金で賄われますから、企業が利潤をあげればあげるほど、私たちの税金の一部がそれらの事業者に流れることになります。
私たちが働いて納めた税金も、企業が利益を上げた税金も、その一部しか社会保障に使われず、格差が拡大しています。それなのに、さらに、税金を一部の株主に流れる仕組みを作っているということです。
私たちは、物価高騰の中、重い税負担に悩まされていますが、その払った税金が、さらに富裕層に流れる仕組みのために働くという、皮肉な、非情なしくみを大田区が、行政が作っているということです。
しくみがどうなっているのか、お話しします。
強大化する 行政+企業=権力
大田区はじめ地方自治体が、大企業等との関係を深めています。
国の権力が立法(国会)、司法(裁判所)、行政(内閣)の3つに分かれているのは、
権力が一か所に集まると、行き過ぎを止められなくなるからですが、
行政が企業と連携すると、
行政権力と大企業の資本力が一つになった
強大な権力が誕生します。
行政内部に入り込む企業等
大田区は、13の大企業等と、公民連携包括連携協定を結び、連携をはじめています。
協定を結んでいない企業にも
公民連携プラットフォーム
という、大田区と企業等が、大田区の課題について話し合い、議論できる場を提供しています。
公民連携の民は、区民の民ではなく、民間企業等の民です。
地域課題の解決を図るため政策を立案し、事業を執行するのは行政の役割ですが、
大企業等がその役割を担うようになっているのです。
始まった自治体ビジネス
しかも、大田区は、連携する企業等に利潤追求(お金儲け)を許すようになっています。
それまで社会貢献を前提にしていた公民連携を、お金儲けしてよいと変え、
社会貢献の度合いを低くしたのです。
大田区と連携した企業等は、
・区の資産(区有地や公共施設や基金1300億円など)
・区民や区の情報(課税・健康・教育・福祉等々)
・区の信用
などを使い、ビジネス提案して利潤をあげることが可能です。
行政の事業は、売り上げが税金等で回収される、リスクの極めて低い事業です。
大田区は、これを新たなビジネスモデルと呼んでいます。
事業者に聞いて
配慮する、予算や契約
【入札】で問題な談合も、行政が業者に行う事業の事前意向調査=【サウンディング調査】は問題ないの? | 奈須りえオフィシャルホームページ (nasurie.com)
また大田区は、事業を行なう前に
という業者への事前意向調査も始めています。
入札で、行政が事前に業者に予定価格を漏らせば談合ですが、
プロポーザルだと、行政が一部の事業者からアイディアや公募条件等を
把握するサウンディング調査は問題ないのもおかしな話です。
不利な条件になるなら、業者は意向調査に協力しなくなるでしょう。
サウンディング調査が進めば、事業や契約は、
より業者に有利な方向に働くと思います。
区民の格差を拡大し企業を淘汰する
大田区の不公平
憲法第15条2に
「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」
と定められていますが、
大田区は「一部の事業者等」と連携しています。
連携できた企業等は、連携できない企業等に比べ、経済競争等で有利にならないでしょうか。
公民連携で企業の利潤が増えても、株主配当等が増えるだけで、企業の従業員の賃金が増えるとは限りま
せん。
名前は日本の企業でも、株主に外国資本が名を連ねる企業も増えています。
今、格差が拡大しているのは、社会保障以上に箱モノや開発や一部の事業者の利潤に、税金が過剰に使われているからです。
社会保障のしくみはそのままに、
一部の企業等の提案を受け入れれば、
区民の格差を広げるだけでなく、
選ばれない企業等を淘汰することになる
でしょう。
強大化する企業権力
無力化する民主主義
必要なあなたと私の声!
岸田文雄内閣総理大臣が、ダボス会議の特別講演で言う「新しい資本主義」とは | 奈須りえオフィシャルホームページ (nasurie.com)
岸田総理は、2022年のダボス会議で
“新しい資本主義“について
「民主主義の普遍的な価値観を守りながら…経済社会を大きく変換していく」
と発言しています。
協定で行政権力を身につけ企業権力が強大化すれば、
選挙と多数決など価値観だけの民主主義では抑止できません。
今、政治に必要なのは、あなたと私の声です!