「大田区区民活動との連携・協働に係る基本方針」について

第四回定例会代表質問-4

 第3に、「区民協働推進会議の設置」について。
 
 連携・協働を推進するため、区民活動団体・企業・区等で構成された第三者機関として「区民協働推進会議」を設置すると記述されています。
 それぞれの主体が対等な立場で大田区の地域で協働を実践していくためには推進会議の位置づけが大変重要になってきます。
答申書では条例設置を求めていますが、「基本方針」では「委員の自由な討議や活動を担保するため条例で定めない」と、ハッキリと記述されています。
 
 また、その機能、権限も「区民協働推進に関する調査研究及び提言」「区民協働推進会議及び運営委員会組織のあり方についての提言」などとなっています。提言を受けて具体的に、これを実施する「運営委員会」も、今後検討するというもので、協働の具体的な推進、実効性に疑問を持たないわけにはいられない内容です。
 
 答申書で提起された「仮称;連携・協働推進計画の立案及び進捗状況の監視」「仮称;区民活動支援基金」の助成先の審査などが、「基本方針」では明記されておらず、機能も権限も大幅に縮小されているように見えます。これらは条例では明文化されるのでしょうか、又は、運用段階では区長から諮問されるのでしょうか。
 
 また、条例化すると「自由な発言」ができないと区は理解しているようですが、この説明で納得できる区民が何人いるでしょうか。
 長期計画「おおたプラン2015」の策定にあたっては、条例で審議会を設置しましたが、自由な発言ができなかったとは聞いておりません。条例設置によって自由な発言ができない委員会があれば教えていただきたいと思います。
 むしろ協働の推進組織なら、先進自治体のように区民の代表である区議会の議決=約束を経て条例設置し、組織の機能も強化したほうが、市民自治として責任ある活動ができるのではないでしょうか。

 第4に「区民活動基金の創設」について。

 区民活動団体が行なう事業に資金を助成するため、区民自らが支える発想に立った、寄付金を財源とした「区民活動基金」の創設は、区民活動を進展させるために相応しいものです。
 基金は条例で設置されるべきではないかと考えます。

 また、区民の寄付によって運用・運営されるものですから、助成のための審査は条例で設置された「区民協働推進会議」が行なうべきと考えます。

 基金の運用にあたっては、寄付者の意向を尊重できる仕組みづくりと共に、「区民活動団体」からの企画提案を審査し、助成を決定する方法や、行政からの課題に「区民活動団体」が応募する形態など、単に子育て支援といった漠然としたテーマへの助成に限らず、「区民活動」を活性化させる工夫が必要であると考えます。

 最後に、昨年度の第三回定例会において、区民の協働に関する条例制定を区民参画で行うという区長の答弁から、今回の、この「大田区民協働推進条例」は、区民参画で作り上げるものであり一日も早い条例案の区民への提示と、パブリックコメントや区民説明会などを実施していく区民参画について、どのように行う予定でしょうか。