●外部包括監査結果
地方自治法に基づき、自治体は外部監査を受けなければならなくなりました。初回である今回、公認会計士が選んだ監査対象は、「補助金」と「(財)大田区産業振興協会」。
「補助金」については、「合規性」「経済性」「効率性」「有効性」の視点から監査を行い、①補助対象が適切かどうか②補助金の交付決定は、法令、条例、規則、要綱に定める手続きにしたがって行われているか③補助事業の実績報告は適切に実施されているか④補助事業の評価、補助金交付団体への指導、監督は適切に行われているか⑤補助効果の測定による対象事業の定期的な見直しがされているか。と言った視点から監査がなされました。
また、「(財)大田区産業振興協会」については、①公益法人会計基準に従い、決算書が、収入及び支出ならびに財産を計上しているか②収入及び支出が、所定の手続きに基づき適切に計上されているか。③財産の取得及び保全並びに処分は、所定の手続きに基づき適切に実施されているか。④各々の事業の収入支出の把握は、合理的に適切な方法で把握されているか。⑤区から得ている財政援助を目的どおりに適正かつ効率的に遂行しているか。の視点から実施されました。
監査の対象を区が選定することはできず、監査人が行いますが、今回対象となった補助金については、「生活者ネットワーク」が従来より、見直しを求めていたものです。
見直しが実現したのは、制度が出来た結果であり、大田区が積極的に補助金を見直したからではありませんが、「合規性」「経済性」「効率性」「有効性」からの監査は当然なされるべきものです。
監査結果は、HPや各出張所等に設置され、区民に対して公表するとの報告がされましたが、区民の意見を求めるという積極的な姿勢にかけている点では、不十分な補助金の見直しと言わざるを得ません。
監査結果を公表すれば区民から意見が来るからそれに対処するといった消極的な姿勢ではなく、公表にあたり、同時に説明会をする或いは、期間を定め意見を求め、外部包括監査結果に基づく補助金の見直しに市民の意見を聴取し反映させる場を作ることが必要です。