自治体は電力売買事業に参入すべきか④

一部事務組合が売電・工場運営受託の「新会社」設立

 各区で使用する電力は、市場の原理の中、その時々に応じ、各区の判断で最適な事業者から調達することを選択できなくてはなりません。
 例えば、環境学習のために、太陽光発電や、風力発電による電力を使用する学校があってもいいのです。「新会社」からの調達を固定化させ、競争原理を排除することは、各区にとって最もよい電気事業者を選択することは、できません。

 一部事務組合は、ごみを焼却し、そこから出てくる有価物の販売のみを有利な競争入札で行えばよいのであって、ハイリスクの電気事業者になる必要はありません。
 結果として、「新会社」の経営状況が悪くなったときには、誰がどのように責任を負うのでしょうか。

 「新会社」が行う清掃工場から出る電力の購入と売却は、一部事務組合が行うべき事業ではなく、「経営改革プラン」記載のとおり競争入札により「電力」と「権利」を売却すればよいもので、一部事務組合が出資して取り組む事業ではないと考えます。

 電力の売電事業は消費者側の設備投資がいらないため消費者側の選択性が高く、電気事業者間の価格競争が激しく、電気事業も専門性の高いものと言われております。一組のような経験も能力のないものが成功するほど甘い話はありません。進出すべき分野ではありません。
 それでも地方公共団体である一部事務組合が電気販売事業に出資し経営参入をする理由はなんでしょうか。