神奈川県大和市は、こうした市民や企業からの寄付金の使い道を寄付する市民が選択できる「(仮称)大和市寄付条例」を四月に施行する方針を明らかにしています。
神奈川県大和市は、市民や企業からの寄付金の使い道を明確化するため、「(仮称)大和市寄付条例」を四月に施行する方針を明らかにしました。
この条例案では、市は寄付者に対し事前に、
●保健福祉の充実
●青少年の健全育成
●自然環境の保全・緑化の推進
●学校教育の充実
●景観形成の推進など
行政全般を八分野にわけたものを提示し、寄付者が選ぶ方式にするそうです。
大田区も寄付について、寄付者の意向(災害対策、福祉のためになど)別に歳入に繰り入れられていますが、制度として使い道に市民の意向を反映できるようにしたことは、市制に参画したいという意識を持った市民の寄付を促すことができるという点で評価できます。
条例案について土屋侯保市長は「寄付はまちづくりへの大きな支援になっており、さらに市民の意向をとらえた施策を展開する」と話しています。
税金の使い道に市民の意向を反映させることはこれまでも様々な自治体で取り組まれてきました。
大田区には、区民の寄付を区民活動に活かす「大田区区民活動積立基金」というしくみがあります。
区民がこの基金に寄付すると、大田区で活動する区民活動団体に支援する補助金の原資になります。
寄付では有りませんが、市民活動を応援するしくみとしては、千葉県市川市の「市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例(通称:1%条例)」(個人市民税の納税者が自分で選んだNPOなどに納税額の1%を支援できるという制度)があります。
税金の使い道を市民が指定できるという点で優れたしくみであると言えます。
大田区の区民活動積立基金は、区民が区民活動の分野や団体を指定することができない点で、今後、改善がもとめられるところです
区民の参画意識・自治意識にこたえることのできるしくみの構築が求められます。