3月25日、旧大田区体育館建て替え工事をめぐり不当な支出があったとして、近隣住民58名が住民監査請求を行いました(2010年3月26日読売新聞都民版掲載)。
私も、区議会において災再三にわたり、適正な支出を行うよう区に対して発言してきましたが、区議会で、私以外の全員賛成で議決されてしまったものです。
平成20年決算特別委員会
何が問題で住民は監査請求を行ったのでしょうか。
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住民が今回監査請求したのは、旧体育館の隣地に建っていた昭和54年(1979年)築のマンションを大田区が、不当に(高く)評価して購入したからです。
築約30年年の建物を使用予定が無いにも関わらず評価して購入。本来、売主が負担すべき解体費用も大田区が負担しています。
2008年10月6日の活動報告に掲載していますが、再度ご説明します。
◆取得目的が土地であり、建物を購入する理由が見当たらない
その①計画に無い
この土地は体育館の基本計画では、取得の予定がありませんでした。
その②この土地が無くても体育館は建設できる
又、体育館の建てかえにも必要な土地ではなく、区がこの土地を取得しなくても
体育館を建設することができます。
その③建物の使用計画が無く、取得目的が土地であることが明らか
区は、取得する理由を「体育館関連用地」としていますが、その内容は
・歩道の拡幅
・体育館イベント時の駐輪場
であり、建物の使用計画はありません。
◆本来、売主が負担すべき解体費用・土壌汚染調査費用も区が負担している
土地が取得目的であれば、建物は評価せず、土地の価格から解体費用を
差し引くのが通常ですが、解体費用も区が負担します。そのうえ、通常
売主が負担する土壌汚染の調査費用も区が負担します。
◆住民の要望で建物も有償で取得することに変更していると推測できる
不動産鑑定委託仕様書を確認したところ、昨年の10月1日付で最初の土地の
鑑定を行っています。
ところが、今年の6月1日に、新たに、土地に加え建物も含めた鑑定をしなおして
います。
何故、二度目に建物の評価加えたかの質問に、区は、住民の要望により行った
と答弁しています。
これも、友人の不動産鑑定士に伺ったことですが、二度目の鑑定方法は、結果が
土地と建物の総額で出てくるそうです。
区は、下記のように、土地・建物を按分して区議会に提示していますが、その按分
の根拠も示されていません。
【議案に示されている価格】
大田区東蒲田1丁目17番
土地:653.92㎡=3億9,967万9,000円
建物:1,288.31㎡=1億1,584万7,550円
友人の不動産鑑定士に、参考のため、おおよその評価をお願いしたところ
(不動産の価格は、個別に異なるためあくまで参考価格です)
土地:約3億円(2008年1月の路線価をもとに)
建物:約5,000万円(再調達原価)
約9,000万円(法定耐用年数50年の場合)
約1億1,000万円(法定耐用年数60年の場合)
建物を評価すべきではありませんが、土地の評価が1億円も違っているのが
気になります。
しかも、路線価は今年の1月ですが、大田区が鑑定に出したのは6月1日付の
ため、2008年に入り土地が大きく下落していることを考慮すると、評価は
更に下がっている可能性があります。
◆住民からの要望内容
体育館隣接土地・建物は、設計終了後も住民からの申し出にしたがい
価格交渉しています。住民が区に昨年8月に出した買い取り提案の中に
次のような条件が記載されています。
①駅から徒歩5分程度の建築年数の浅い建物の評価とすること
②新たな経済的負担なしに周辺地域で新生活を始められる金額とすること
③解体・更地費用は大田区が持つこと
④土壌汚染などは大田区が負担すること
区は、要件審査を行い要件を備えていれば審査に入ります。監査請求が提出された
のが2010年3月25日ですが、60日以内に監査結果の決定を行い、請求人および区長への
通知を行うとともに公表することになっています。
住民は要件審査において要件を欠いているとされ審査されなかったり、監査の結果に
不服がある場合には住民訴訟を提起することができます。
このマンション購入の理由や価格、経緯について近隣住民の間では、税金の適正な支出
という意味で大きな問題になっています。
区の監査委員がどのような判断を下すのかゆくえを見守りたいと思います。