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15年間より良いサービスの質が確保される仕組みや、事業者指定を取り消す場合の仕組みが重要ですが、それらは、委員会の議論にゆだねることにして次のことについてうかがいます。
質疑①官民リスク分担の在り方について
今回のスキームは建設とサービス提供を一体化したことにより、良質なサービス提供を可能にしたとも言えますが、一方で、官の持つ安定性からくる硬直化が不安視されるところです。事業の相手は大田区のため投資リスクはほぼないと言え、完成後引き渡しですから短期に利益が確定します。
その上、15年間の管理・運営を指定管理者により指定しようとしているわけです。
間もなくオープンする大田区総合体育館は、大田区が建設し、民間事業者が指定管理者として指定されました。
この事業個別の問題ではなく、大田区として民間事業者の力をどのように活用していくかという大きな問題であると考えます。
一般に言われている、PFI事業のメリットである、官と民のリスクの分担の在り方についてどのような前提でこの議案を提出していますか。それは、この事業だけなのでしょうか。大田区として官民のリスク分担はどうあるべきかという検討はなされているのでしょうか。
質疑②指定管理者制度における指定取り消しとPFI契約の関係について
指定管理者制度は、行政処分のため、区が必要と認めればいつでも指定を取り消すことができます。今回は、PFIの契約に指定管理の指定が要件としてうたわれていますが、地方自治法上は、たとえ大田区が15年の長期指定をしたとしても指定取り消しは可能です。仮に施設建設・引き渡し後に指定取り消しになった場合に、PFIの契約は大田区にどのような影響を」与えますか。他の事業者を指定管理者に指定することは可能な契約ですか?
BTO契約を締結すれば、必ずしも指定管理者の指定は必要ありませんが、一体化することについてのメリットデメリットなど詳細な説明は委員会審議において、なされますか?
質疑③指定期間について
指定管理者の議決が契約の要件となっていますが、指定管理者の指定期間は15年間でなければならないのでしょうか。議案の修正により、指定期間を短くすることは可能ですか。
質疑④民の安定継続的サービス提供と契約・指定期間についての大田区の方針
長期の指定期間であることにより、安定継続的で良質なサービスが求められるのは、こうした箱もの施設ではなく、保育園や特別養護老人ホーム、障がい者施設のはずですが、大田区において、区からは、これまで一度もそうした問題意識を聞いたことはありません。ホテルサービスにおける優位性ばかりが強調されていますが、この施設はあくまで教育委員会の施設で、校外施設サービスの提供者は、あくまで学校です。なぜ、人とのかかわりがより密で大きな影響を与える福祉施設では最長でも5年の長期契約や指定管理しか行ってきておらず、しかもその指定管理もやめ民間譲渡という話が出ている時にもかかわらず、それらと大きく逆行矛盾する、15年の長期契約、指定管理をこの校外施設から行うのですか。このような大田区の民間活用方針について、これまで議会に示されていますか。示されていないのでれば、今回の議案審議において事前に提示されるのでしょうか。