練馬区の「福祉のまちづくり」への取り組み

ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会

大田区のバリアフリーのまちづくりに取り組んでいる「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」として、「練馬区福祉のまちづくり総合計画」の取り組みについて視察に行きました。
 大田区内のバリアフリー点検など点での活動は一定程度の成果を見せている「まちづくりの会」ですが、大田区としてのバリアフリー推進の方向性や目標が明確に示されていないことが、「まちづくりの会」の活動を更に広げていく限界を作っているように感じています。

 練馬区では、障がい当事者などを含めた市民参加によって「福祉のまちづくりの総合計画」を策定し、計画推進においても区民が関与できるしくみを作り推進しています。
 大田区でも地域保健福祉計画への区民参加の場はあります。
 しかし、練馬区では、更に、計画を策定した後、実施した計画を評価し、意見・提案を次の計画に反映させる区民参加のしくみが整えられていて、ここが、大田区と大きく異なっています。 

 また、練馬区では、区の既存事業を福祉のまちづくりの視点で見直す作業を行っています。

 バリアフリーの点検を行ったり、放置自転車キャンペーンを行っていくだけでは無く、既存事業を「福祉のまちづくりの視点」で見直すことは、部署を超えた総合的な取り組みにつながります。
 
 これは、単に「福祉のまちづくり」への取り組みに限らず、現在の行政のしくみが、縦割りであることを改善するためのひとつの方法であるとも言えます。

 環境の問題をまちづくり推進部の環境保全課だけで取り組んでいても、出来ることには限界があります。ごみの問題、建物の建設から廃棄のしくみ・そして広くは、まちの作り方(=道路の配置や中心市街地の構成・公共交通などの移動の手段・・・)、経済活動・・・など、全てが環境問題に深く関わっていますが、それぞれの部署で環境という指標での事業評価がどれほど出来ていると言えるでしょうか。

 子育て支援も、ワークライフバランスという働く場の環境や制度の問題など総合的な取り組みが必要であり、子ども育成部だけの取り組みには限界があります。

 練馬区の担当者は、大田区の「まちづくりの会」の活動を参考にして市民参加のしくみを作られたそうです。
 
 大田区の福祉のまちづくりの市民参加・当事者参加も更に一歩進まなければならない段階にきています。 


なかのひと