こうした状況を早くから予測し、警鐘を鳴らしてきた「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」「東京労働安全衛生センター」「建通新聞社」が『実践!建設業のためのアスベスト対策』−被害者にも加害者にもならないために—を出版しました。
私も、アスベスト除去工事の際にリスクコミュニケーション(=地域住民などの関係者に対し環境や安全に関して情報公開や対話を行うこと)を行った事例の紹介として梅田小学校のアスベスト除去工事その① (その②)の際に、学校、教育委員会、除去事業者、PTA、地域住民などと説明会の場を何度か持ちましたが、その際の写真を提供した関係で取材協力者として名を連ねています。
タイトルこそ「建設業のための…」となっていますが、過去に使用してきたアスベストを今後どのように安全に除去していくのかを、除去工事にあたる除去業者だけでなく、そのしくみを作る側(行政や議員)への“問題提起”あるいは“注文”としたと建通社の報道部のの脇坂氏は話しています。
1月9日現在、全国105の書店、18の公共図書館、5つの大学図書館におかれる予定です。
また、既にアマゾンでの申し込みが500冊を超えるなど、アスベストへの関心の高さをうかがわせます。
アスベストの問題は、ますます私たちの身近な問題になってきます。
民間を指導する立場である東京都が保有管理する都営住宅のアスベストの囲い込み工事でさえ法令を遵守することができない状況で、民間の事業者に法令を遵守したアスベストの除去工事・囲い込み工事を指導することができるのか本当に心もとなくなります。
過去に使用されていたアスベスト使用の建物の解体・改修が今後十数年の間にピークを迎えます。
解体の届出の窓口である大田区にも是非読んでいただきたい一冊です。