こうしたなか、政府の検討会が「地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会」報告(案)を発表しました。
報告書は、都市活動に起因する排出量が伸び続けていることから、二酸化炭素排出削減に資する「まちづくり」を検討することが急務であると指摘しています。
温暖化により、このままでは、21世紀中に1.1℃〜6.4℃の気温上昇が予測され、極端な高温や熱波、大雨の頻度がさらに増加する恐れがあります。
2月に公表された、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球温暖化ガスの増加が地球温暖化の原因であるとほぼ断定しています。
「地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会」報告書(案)では、二酸化炭素の排出量の現状を示した上で、まちづくりの様々な視点からの温暖化対策を示唆しています。
【報告書より】
1人当たりの道路面積が大きい都市ほど市街地が拡大し、1人当たりのCO2排出量も多い。「渋滞解消のための道路整備」が、交通量の増大を誘発している可能性がある。
都市拡散(郊外に住宅、公共施設、商業施設などが移転している状況)が進行している地域とそうでない地域とでは、温暖化ガス排出量に、大きな違いがある。
集約的な土地利用に効果があることをから、鉄道や路面電車利用が温暖化対策に効果のあることも指摘。結果として徒歩や自転車の利用割合が大きくなるメリットもある。
これまでに無かった、こうした都市構造からの温暖化対策は、私たちの暮らし方への提言でもあり、また、今後のまちづくりビジョン策定の際の重要な視点でもあります。