現在、福祉の専門家や弁護士など4名が『福祉サービスを受ける方からの苦情申し立て』に調査、対処しています。
平成12年度の介護保険のスタートにより、高齢者福祉が、これまでの与えられる福祉から、当事者が選択する福祉に変わりました。また、本年度、支援費制度がスタートし、障がい者福祉もまた『措置から契約へ』ということで、選べる福祉制度になりました。(障がい者福祉は、制度上は選べる福祉ですが、選べるほどに多様なサービス主体が存在している状況にはなっていません)
こうした、福祉制度の変化の中において、この「福祉オンブズマン制度」は、当事者が、より質の高い福祉サービスを選択できる状況を作っていくためにも大変重要な制度であると考えます。
平成14年度は、それまでの高齢者福祉だけではなく、福祉全般にその対象を広げたため、苦情申し立て件数も平成13年度の2倍の253件になりました。
苦情をそのままにせず、第3者が仲立ちをし、区民の立場になって福祉サービスについての問題解決をしていくことは、大変重要なことです。
福祉オンブズマンの対処の一つ一つを読んでいますと、オンブズマンが、そのことの問題解決のみならず、普遍性を持たせ、今後の問題発生を予防・抑制するところまでを視野に入れているというところでは、オンブズマンが、上手く機能していると言えます。
区民も、また、行政も、この福祉オンブズマン制度を上手く活用し、大田区の福祉サービスをより良くしていければと思います。