「みんなちがう、そして、みんな同じ」を基本的な考え方に
・障害を持っている人が工夫をしながら生活をしていること。
・障害を持っている人にとってまちのなかにはさまざまなバリアがあること
・障害の違いによってバリアとなるものが違うこと
・バリアを取り除くために「人の心のバリアフリー」がなにより大切なこと
・障害を持っている人が住みやすいまちは、高齢者や小さい子どもを持った人だけでなく、誰にとっても住みやすいまちになること
といった項目を、障害当事者の話・バリア体験・区役所本庁舎バリアフリー設備見学・まちのバリア点検・障害者スポーツ体験などの様々なプログラムを通じて伝えてきた。
単に、障害者の話や、バリア体験・バリア点検に留まらず、障害者との密なふれあいを持つためにと始めた障害者スポーツ体験が、私たち「やさしいまちづくりの会」の総合学習のプログラムの特徴としてあげられる。ハンデをつけ、対等・平等に、本気で競い合うため、障害者との距離がぐんと近くなると学校からも大きな評価をいただいている。
障害当事者、障害を持たないまちづくりのメンバーが協力して取り組んでいるプロジェクトだが、この総合学習のプログラムに欠かせないのが行政の協力であると強く感じている。
小・中学校の総合学習の授業への協力は、無償で行っているが、ここで問題になるのは、視覚障害者のガイドヘルパーや聴覚障害者の手話通訳者への費用だ。
障害者に負担のかからないよう、外出しやすいように、総合学習の際のガイドヘルパーや手話通訳者の費用は、行政で負担している。加えて、当日必要な用具や備品の搬入、資料作成にかかる費用なども行政が負担している。
区民の持つノウハウと力、そして、行政の持つ力をあわせた「協働」のひとつの形がここにあると思っている。また、最近では、PTA主催の企画として声のかかることもあり、子どもを通じ、地域の大人にまで「協働」輪が広がっている。
これらを「バリアフリー総合学習プログラム作成実行委員会」が、総合学習の参考資料として「小・中学校のバリアフリー学習プログラム」という冊子にまとめ、区内の小・中学校、幼稚園に配布した。現在は、ひとつのプログラムで小・中学生全てに対応しているが、今後は、メニューの充実と共に、年齢に応じたプログラムの作成にも取り組んでいきたいと考えている。
既に、幾つかの問い合わせがあり、これまでの延べ18校、授業回数にして70近い実績が、更に上まりそうだ