昨年10月から大田区全域でスタートしたプラスチックの焼却によって温暖化ガス排出が予想外に増大しています。
プラの焼却と温暖化ガス増大によって大田区がなすべきゴミ政策について質問しました。
大田区は、他区に先駆け、昨年の10月から区内全域でプラスチックを可燃ごみとして焼却しています。
プラ焼却にあたり、大田区は、温暖化ガス排出は微増であると説明してきました。
そこで、温暖化ガス排出について、検証してみました。およその試算になりますので、考え方としてご理解ください。
清掃工場を管理運営する23区で設立した地方公共団体「東京23区清掃一部一組(=一組)」は、プラスチック焼却により増える温暖化ガス排出の増加は、熱回収による発電と埋め立て処分場から排出されていたメタンガスが減ることによって相殺され、0.7万トンであると説明してきました。
一組は、可燃ゴミに占めるプラスチック混入率を約10%。可燃ごみと不燃ゴミの区分が変わった結果、増える可燃ごみ量増加率を約9%程度と予想しています。
プラが可燃ごみになってからのプラスチックの混入率を調べたところ、昨年の11月に行った多摩川清掃工場のバンカのゴミのプラスチックの割合は、約23%という結果になっています。
また、大田区の可燃ごみが約22%増加していると報告されました。
プラスチックの混入率 10%→23%
可燃ゴミの増加割合 9%→22%
この、大田区のデータで排出温暖化ガスを計算すると、0.7万トンと言っていた温暖化ガスがおよそ98万トンも増えてしまうことになるのです。
なぜ、こうした予想外の結果になってしまったか、一組で試算した、資料を確認したところ、可燃ごみの中のプラスチック割合や可燃ごみの増加量は、容器包装リサイクル法を全面展開している横浜市や名古屋市の資源回収実績を参考にしていたことがわかりました。
つまり、23区全体が、横浜市や名古屋市のように分別し資源化に取り組まなければ温暖化ガスは取り組まなかった分だけ予想よりも多く排出されてしまうのです。
現在、ようやく23区のおよそ1/2が、容器包装その他プラスチック(その他プラ)のリサイクルを始めようとしていますが、リサイクルされている容器包装は、一組の想定している12万トンにはまだまだ及びません。
しかも、23区で人口が2番目に多いわが大田区も、未だに、その他プラのリサイクルに取り組んではいないのです。
そこで
◆質問
昨年の第三回定例会の代表質問の際に区長は、ゴミ組成を把握して容リ法プラの排出量を予測してから取り組む必要がある、費用対効果等を踏まえて検討中だと答弁しています。半年以上が経過していますが、その後の検討はどうなっているのか質問しました。
◆
残念ながら、費用がかかるという答弁だけで、検討についての答弁はいただけませんでした。費用がかかっても取り組んでいる区が有る中で、検討するということは、費用対効果の政策的判断だと考えます。
区長は、環境を大切にしたいと常々話しています。
是非、政治姿勢を政策で実現していただきたいと思います。