不二家が消費期限切れの牛乳などを使い洋菓子を製造していた問題が発覚しました。

 食品衛生法の基準の60倍以上の細菌が検出されていながら、現場責任者による回収指示はなく、「食品衛生マニュアル」も全く機能していない状況が明らかになっています。
 
 不二家の業績不信とコスト削減がこうした事態を引き起こす背景にあったということですが、この事態を受け、大手スーパーなどでは不二家製品を撤去する動きが広がり、経営への打撃は単なる業績不振に留まらない深刻なものになっています。
 不二家では社長が引責辞任を表明する事態になっていますが、グループの解体・再編を余儀なくされる結果となった雪印乳業の二の舞ともいえます。
 
 雪印乳業の問題は、食品メーカーが、衛生管理を怠れば、消費者からの信頼を失うことになり、それは企業の存続にかかわる大きな打撃となるという当たり前のことを再認識した事件であったはずですが、同様の問題を起こした不二家は、経営不振の前に、そうした教訓も活かされなかったということなのでしょうか。

 自給自足の生活であればいざ知らず、現代社会における食品の製造・流通のしくみの中で、私たちの、食の安全を確保することは非常に難しくなっています。

 衛生上の問題もありますが、「添加物」「遺伝仕組み替え食品」「農薬」「BSE」など、食の安全を取り巻く問題は数多くあります。
 そして、これらの問題から食の安全を確保するためには、東京都の食品安全条例制定の際にこのHPで申し上げたとおり、『表示』や『トレーサビリティー(生産履歴の確認)』『リスクコミュニケーション(地域住民などの関係者に対し環境や安全に関して情報公開や対話を行うこと)』『法令順守』など様々な角度から取り組んでいく必要があります。
  
 しかし、一方で、今回の不二家がそうであったように、消費期限も改ざんされてしまえば、表示も全く意味の無いものになります。製造現場の「食品衛生マニュアル」さえ有っても機能しない状況であったことも報道されています。
 
 安全より経営が優先されてしまうこうした問題が繰り返される状況は、一企業の問題に留まらず、食の安全の確保についてのしくみをもう一度見直さなければならないことを示しています。