地方自治法改正に伴い、大田区議会として、会議規則改正したり、条例で対応したりしなければならない部分が生じています。

今回の大田区議会第3回定例会において、法改正に伴う文言整理(=条項の番号がずれたことへの対応)のための規則改正議案が「議員提案」で上程されました。

しかし、地方自治法改正に伴う議会としての対応であるにも関わらず、今回の文言整理について、一人会派・二人会派の議員には、まったくその情報を伝えられておらず、議案上程について「議会事務局」から説明が行われただけでした。


例えば、地方自治法改正によって、次のような改正をすることができます。

①通年議会とすることができる
・首長の招集を待たなくても議会を開催できますので、「専決処分」なんていわないで、緊急事態に速やかに対応できます。

②公聴会開催・参考人招致
・本会議において公聴会を開催し、参考人を招致することができるようになる。

③複数の常任委員会に所属することが可能になる。
・一人一つの委員会じゃなく、複数の委員会所管の動きを掌握することが可能。本質とは離れますが、大田区議会の場合、委員会を同時に開催するため、議員が、他委員会の傍聴すらできない。たとえば、委員会に所属していなくても委員外委員の発言が認められているが、その権利を行使することが実質不可能となっています。

今回の大田区の議員提出議案は、地方自治法改正に伴い、現在ある大田区議会議規則
http://www.city.ota.tokyo.jp/reiki/reiki/33190965000000000000/33190965000000000000/33190965000000000000.html
に記されている地方自治法の条や項のずれを修正するだけで、内容については一切れていません。

【期限は平成25年3月4日】

自治法改正に伴う各議会の対応は、施行後(平成24年9月5日)6か月を超えない範囲での施行を求められているため、来年の第一回定例会までに以下の改正の内容についてどうするかを決めなければなりません。

【一部議員だけの話し合いで決まる大田区議会運営】

本来であれば、大田区議会全ての議員が全員協議会のような場を設け、議論すべきですが、現在の大田区は、議会運営について、交渉会派と呼ばれる3人以上の会派である、自民党・公明党・共産党・民主党だけでそれ以外の議員を排除している議会運営委員会で、議会の運営等を決めているため、それ以外の1人、2人会派の議員は、結果だけを知らされることも少なくありません。

こうした議会運営の状況で、果たして今回の地方自治法改正を大田区議会運営にどのように反映させるかについて、一人二人会派も含めた場での議論が担保されるか確認する必要があります。

しかし、実際に、議会運営員会に委員外委員として発言を求めても、審議すら認められない状況において、提案者である議会運営員会のメンバーにその真意を明らかにしてもらうことは重要であると考えました。

議会運営委員会
委員長 田中 一吉(自民)
副委員長 秋成 靖(公明)
委員 岸田 哲治(自民) 松原 茂登樹(自民)
伊藤 和弘(自民) 冨田 俊一(公明)
岡元 由美(公明) 山崎 勝広(民主)
佐藤 伸(共産) 大竹 辰治(共産)

そこで、下記の通り、議員提出議案上程時に、議案上程における提案者の提案の主旨を以下の取り質疑しました。


大田・生活者ネットワークは議員提出議案第 号議案について質疑します。

今回の議案は地方自治法の一部を改正する法律の平成24年9月5日公布に伴い行うもので、6カ月を超えない範囲で施行を求められているものもあります。

これにより、具体的には、平成25年3月4日までの議決を必要とするため、平静24年第四回定例会、あるいは平成25年第一回定例会での対応を求められています。

法改正は、今回の項ずれで対応できるものではなく、政務調査費について政務活動費を条例で定めなければならないなど、大田区議会としての総意に向けての合意形成が求められるものもあります。

今回は、項ずれ対応だけですが、地方自治法改正に伴い、この政務調査費や参考人招致、通年議会など議会改革に取り組んでいる大田区としては、積極的な検討に入りたいところです。

そこでうかがいます。
自治法改正に伴う大田区議会としての対応について、今後どのような場で、どのような手順でおこなっていくのでしょうか。今回、項ずれ対応だけだった理由も含めお答えください。

現在の大田区議会の議会改革や自治法改正についての対応は自民党・公明党・民主党・共産党という一部議員だけの発意で進むため、それ以外の一人二人会派の議員の意思が反映できません。
一部の議員だけで今後もすすめていくのでしょうか。それを大田区議会の総意とするのでしょうか

たとえば、先日、議会運営委員会において資料配布を求めましたが、議会運営員会で議論もされず議長一任ということで理由も告げられず不許可になりました。その後、不許可とした理由を求める委員外委員の発言をしましたが、審議すら認められませんでした。

このこと自体が、大田区議会の議会改革が一部議員だけで進められていて、他議員の意見を聞かないことを示すものであると考えますが、今後は議会運営委員会での発言を認めないことなく、全ての議員の総意で取り組むということでしょうか。

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■答弁■

この質疑に対して、議会運営委員会の委員である、自民党岸田哲治議員が答弁しています。

言葉が不明瞭で聞き取りにくく、正確な発言は、議事録が公開されてから報告しますが、結局、一人二人会派の意見も聞きながら合意形成を図るという言葉は得られませんでした。

■議会活動を硬直化させている大田区議会の慣例的運営■

大田区議会は、事前の通告なしに質疑・賛否・討論を行うことができないという慣例で運営されています。

しかし、今回の議案に関しては、項ずれについて反対するものではありませんが、地方自治法改正に伴う大田区議会規則改正をどのように行っていくか(=大田区議会改革をどのように進めるか)そのものを示す大切な議案であり、答弁によって、賛否を決めかねる状況にありました。

そこで、議会事務局に、民主的改正手続きの確保された答弁であれば賛成だが、そうでなければ反対もあり得るので賛否を決めかねる。しかも、賛成であれば、討論は不要だか、項ずれの議案に反対するためには、その理由を議場で明確にする必要があり、討論したい。と告げました。

その結果、大田区議会初めて、賛否の決まらないまま議決。討論については事前通告のため、とりあえず、通告しなければ討論はできないと言われたため、賛成討論を通告し、賛成なら簡易に討論、反対ならその理由をきちんと説明することにしました。

これまでの報告の通り、残念ながら、議案には賛成できず反対。そして、反対討論を行いました。

■一連の発言への他会派の態度■
~単なる文言整理ではない、議会改革に対する大田区議会の意識として~

この経緯に、賛同したのは、結局同じ生活者ネットワークの北澤じゅんこ議員とみどりの党の野呂恵子議員だけ。ほか全ての議員は賛成してしまいました。

この議案は、私が議場で自治法改正について大田区議会としてどう取り組むのかという問題提起をしたわけですから、単なる、項ずれ対応の議案の賛否として片付けるべきものではありません。

なぜ、大田区議会は、すべての議員で、一人二人会派の議員も議論に加えて形で、議会改革に取り組むことができないのでしょうか。
一人二人会派が加わることで、何か都合の悪いことがあるというのでしょうか。

今回の自治法改正に対応するための検討は決して簡単なものではなく十分な時間をとる必要があります。
市議会議長会では、各議会の政務調査費の使用状況について、全国の議会に調査を依頼してきているそうで、その締切は9月の半ばでした。
市議会議長会任せで、単に、市議会議長会の標準改正案に従うのではなくはなく、大田区議会として、区民に開かれた議会にするための改正を考えるなら、期限が第一回定例会までに議案を提出ですから、既に始めていなければならない状況です。

少数意見排除という、まさに、ここにこそ大田区議会の改革しなければならない部分が現われています。


*更に詳しい改正の概要は以下の通り(全国届く府県議会議長会)

地方自治法の一部を改正する法律の公布及び施行について(通知)

http://www.gichokai.gr.jp/keika_gaiyo/pdf/h24_kouhu_sikou.pdf

平成24年
  1. 地方公共団体の議会について、条例により、定例会・臨時会の区分を設けず、通年の会期とすることができることとした(法第102条の2及び法第121条)。
  2. 議長等の臨時会の招集請求に対して長が招集しないときは、議長が臨時会を招集することができることとした。(法第101条第5項、第6項)。
  3. 委員会に関する規定を簡素化し、委員の選任方法、在任期間等について法律で定めていた事例(例:常任委員は会期の始めに議会で選任)を条例に委任するとした。(法第109条)【公布後6月以内において政令で定める日から施行】
  4. 本会議においても、公聴会の開催、参考人の招致をすることができることとするとした。(法第115条の2第1項、第2項)
  5. 議会が調査を行うため選挙人その他の関係人の出頭、証言及び記録の提出を請求することができる場合を、特に必要があると認めるときに限ることとするとした。(法第100条第1項)
  6. 政務調査費の名称を「政務活動費」に、交付目的を「議員の調査研究その他の活動に資するため」に改め、政務活動費を充てることができる経費の範囲を条例で定めることとするとした。また、議長は、政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めることとするとした。(法第100条第14項、第15項、第16項)【公布後6月以内において政令で定める日から施行】
  7. 一般再議の対象を条例・予算以外の議決事件(総合計画など)に拡大するとした。(法第176条第1項)
  8. 専決処分の対象から副知事又は副市町村長の選任の同意を除外するとした。(法第179条第1項)
  9. 条例・予算の専決処分について議会が不承認としたときは、長は必要と認める措置を講じ、議会に報告しなければならないこととするとした。(法第179条第4項)
  10. 長は、条例の送付を受けた日から20日以内に再議に付す等の措置を講ずる場合を除き、当該条例の公布を行わなければならないこととするとした。(法第16条第2項)