「大田区区民活動との連携・協働に係る基本方針」について

 今、「協働」は流行語のように広く使用されていますが、その理解は人により様々です。また「協働」の理念・概念といったものも日々成長、発展しています。
 
 従来、公共サービスは行政の独占領域とされ、「公」=「官」として、行政組織が肥大化してきました。しかし、区民のニーズも多様化している昨今、区・行政が提供するサービスだけで満足を得ることには、限界がきています。
 
 特に近年は、「新しい公共」の担い手として、多様な公共サービスを創造し担うNPOなどの市民活動団体が、住民が必要とするサービスを住民自らの手で提供する活動が盛んになっています。
 ここに「区民=サービスの受け手」「自治体=サービスの担い手」であるという従来の関係を、参画と協働による新たな自治の仕組みに大きく発展させていく可能性があります。
 
 第27次地方制度調査会の答申においても「地域における住民サービスを担うのは行政のみではないということが重要な視点であり、住民や重要なパートナーとしてコミュニティー組織、NPOその他民間セクターとも協働し、相互に連携して『新しい公共空間』を形成していくことを目指すべきである」とうたわれています。
 
 さて、今回公表された「大田区区民活動との連携・協働に係わる基本方針」の策定にあたり、平成14年に「区民活動との連携・協働に係わる基本方針等策定検討会」通称「パートナーシップ会議」が設置されています。
 1年半にわたり、公募の区民、区民活動団体のメンバー、学識経験者、区の職員など、様々な立場の委員が、見方や方法の違い、得意とする分野を活かし、まさに「連携・協働」の作業を行って答申書を作成しました。内容も、「連携・協働のあるべき姿」を示すとともに、「連携・協働の推進」に向けて、それぞれの主体の役割、推進方法について、具体的な取り組み方などが示され、大田区民の政策提案能力のレベルの高さを示すものとなっています。
 今回、区が公表した「区民活動との連携・協働に係わる基本方針」の検討にあたっては、この、行政と区民との連携と協働で作成された答申書の趣旨を十分に活かして策定にあたるものと考えていました。
 
 私自身も、今後の「協働」を進めていくうえでの方向性を決定するばかりでなく、大田区の市民参画、住民自治が試される重要な「基本方針」と位置づけられるため、大きな期待をもってこの「基本方針」読みました。
 
 しかし、答申書に比べ、わずか4ページ弱となってしまい、区がどのように協働を進めてのいくのかが非常にあいまいで、運用にあたって解釈の幅が大きく、しっかりと方向性を指し示すべき「基本方針」としては、物足りないと感じたの私だけでしょうか。
 今回「基本方針」の中で、答申書の趣旨を活かせなかったものについては、区民や検討会委員に説明を十分に行う必要があるのではないでしょうか。そして、それが、落胆、失望している区民や検討委員への信頼回復に応えることになるのではないでしょうか。
 そこで「基本方針」の問題点を指摘しながら、協働の推進について、区がどのように今後、具体的に進める考えがあるのか、質問しました。