補正予算に反対した理由:効果の確証無き「緊急経済対策」4億8575万円など

補正予算約39億円について反対しました。

今回、特に問題視したのは緊急経済対策費用です。今回は4億8575万円ですが、平成20年秋のリーマンショック以降42億円を計上してきています。

今回の補正予算の総額約39億円の財源のほとんどは基金(大田区の貯金ですね)の取り崩しと区債発行です。
大田区の基金はここ数年激減していて、決して、楽な財源確保ではありません。

景気悪化の歯止めになる政策に反対したのでは無く、厳しい財政状況の中行う現在の大田区のやり方に効果が望めないので反対しました。

以下が、今回の主な補正予算とその反対理由です。

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■補正予算■ 総額 38億8956万2千円

財源の主な項目

財政基金繰入    16億6502万9千円
公共施設整備基金   6億295万7千円
特別区債      14億500万円
国庫支出金      6億9778万5千円
繰越金      △10億6482万円

主な内容

・電気・設備等工事、商品券発行、研究開発補助等の産業支援など緊急経済対策費
・仲六郷複合施設建設費用
・伊豆高原学園改修に関わる費用等
・被災地支援

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大田・生活者ネットワークは、第58号議案「平成23年度大田区一般会計補正予算(第3次)」に反対の立場から討論いたします。

議案質疑の際に一部指摘させていただきましたが、今回の補正予算にも緊急経済対策として、4億8575万円が計上されています。

平成20年以降これまでに計約42億円を計上してきましたが、その効果や評価について、議会に示すことについて質疑しましたが、評価することは難しいとして示されませんでした。
確かに評価は困難な部分もありますが、期待すべき効果を、より実効性のあるものにするための工夫はできるはずです。

公共工事に期待するのは、区内の雇用が創出されることであり、受発注が拡大することですが、現状では、雇用や受発注が区内であるとは限りません。区外に下請けで出してしまうことも可能なのが現在のしくみです。

それを抑止するための方策として、入札の評価を単なる価格だけではなく、区内雇用創出や下請けの制限などをポイントとして評価する総合評価落札方式を採用することは可能かと質疑させていただきました。

しかし、今回の契約に導入することは不可能と言うのが、答弁でした。
効果について示すことはできず、実効性のある工夫さえ取り組めないということになれば、これまでの、緊急経済対策は、単なる「緊急経済対策」という呼び名の公共工事にすぎず、緊急経済対策として前倒しにすることの理由にはなりません。

大田区は、財政のターニングポイントにおいて大田区自身が指摘している通り、全国都市平均や23区平均に比べて、公共施設改修費の割合が大きく増えてきています。全国都市平均も23区平均も1%前後で推移し21年度には1%を切っている施設改修費割合ですが、大田区では、平成17年度以降1.25%から1.6%に増えているのです。約2300億円の予算規模でみれば、0.6%多いと言うことは、実額にすれば約14億円に相当します。

言わば、経常的に大田区が言うところの緊急経済対策をそれ以前から行ってきていたことになりますが、それでは、大田区の景気が他自治体より良かったと言えるでしょうか。

漫然と公共事業に税金を投入することが景気対策につながるのかどうかわからないことを、このデータは示していないでしょうか。

緊急経済対策を行うのであれば、受発注先や雇用を区内に誘導するしくみを講じる総合評価入札制度を導入するなどのしくみが欠かせず、それらを怠っている補正予算には賛成することはできません。

 
なかのひと