補正予算に、平和島ユースセンター設計委託経費と区立特別養護老人ホームの空調設備などの改修費が計上されています。奈須りえは、次のような理由から、この支出は適正でないと判断しましたが、奈須りえ以外、全議員の賛成で可決しました。みなさんは、どう考えますか。

以下、議案に反対した際の討論です。
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フェアな民主主義 奈須りえです。

第121号議案平成28年大田区一般会計補正予算第三次について反対の立場から討論いたします

今回の補正予算には、平和島ユースセンター整備にかかる基本設計・実施設計費用約8500万円のうちの今年度分2550万円と、平成29年度債務負担分5967.4万円が計上されています。

議案上程時に、総額改修費がいくらくらいを想定にしているのか質疑しましたが、明確な答弁をいただけませんでした。

一般に、設計費用は、用途や面積をもとに人件費など諸経費を加えて計算していると聞きますから、建物の用途や面積で、だいたいの予算はわかっているはずです。

大田区は平成28年7月平和島ユースセンターの整備・活用に伴う基本構想・基本計画策定支援業務委託実施事業者の選定を終えていて、平和島ユースセンターの整備・活用に関する基本構想・基本計画(案)の概要の区民向け説明会を12月12日と17日に行う予定です。

おおよその方針もすでに定めているにもかかわらず、議会に平和島ユースセンターの改修にいくらくらいかかると想定しているか示すことができないまま、設計費用の議決を求められても、その是非について判断できません。

また、設計委託を議決した後に、区民に説明しても、区民の意見は反映されません。

大田区は、だれの声を聞いて平和島ユースセンターの改修を行うのでしょうか。
順番が違うのではないでしょうか。

特に、今回の平和島ユースの設計が、基本構想・基本計画策定支援業務、とあるように、政策立案に関わる部分について民間事業者を関与させることが目立つようになっています。

一般廃棄物処理基本計画の策定業務の支援を委託したと持ったら、大田区の可燃ゴミ収集が民間委託になってしまいました。

しかも、区長は、今年の第一回定例会の代表質問に答える形で、「平和島ユースセンターにつきましては、未来を担う青少年健全育成活動の拠点としての性格は維持しつつ、オリンピック・パラリンピックを契機に、より多世代の区民の方々はもとより、国内外のアスリートや青少年がスポーツ交流できる宿泊型施設として整備してまいります。」と答えています。

基本調査結果概要にも

・畳大部屋をホテル形式の部屋にして多様なニーズに対応する。

・国内外のアスリートも利用可能な宿泊型スポーツ施設とする。

・産業振興や観光にも活用できる施設とする

とあるように、青少年施設と位置付けられている平和島ユースセンターを、民間のホテル業を行える施設にしようとしています。

オリンピック・パラリンピックは一時的ですが、その一時のために区民の施設を観光のためのホテルとして整備してよいのでしょうか。

また、補正予算には、特養たまがわの空調給湯等一括更新工事設計費用の減額補正1790万円が計上されています。

大田区は特別養護老人ホームの民営化を検討し、既に、先行実施として特養羽田、特養池上、特養大森の民営化を行いました。

先行実施とあるように、これで終わったわけではなく、今後、今回莫大な費用をかけ空調給湯設備の更新をする区立特養たまがわふくめ残りの区立特養についても民営化が行われる可能性があります。

私は、特養の民営化には問題があると考えていますが、大田区は、民営化の方針を公表しているのですから、施設譲渡のあり方を明確にすべきです。ところが議案質疑したところ、所管課で施設の特性や状況に応じ決めるというのが大田区の考え方だそうです。

しかし、私が質疑したのは、個別の細かい事情に対する対応ではなく、民営化における施設の整備・更新・譲渡の考え方についての方針です。

地代は別の機会に譲るとしても、建物は、無償譲渡なのか、有償か、賃貸借契約なのか。所有権はどちらにあり、引渡し後の改修費用はどちらが負担するのか、その際の費用負担のあり方がどうなるのか。などなど、基本的な考え方の整理が必要ですが、大田区は原則なく個別に行っているということで、恣意的で問題です。

莫大な費用をかけて改修し、その直後に民間に譲渡することは区民にとって必ずしも利益にはならず、一定の基準が必要です。

個々の事情は配慮すべきですが、基本的な考えなしに民間譲渡前の施設整備を行えば、公平性に欠けたり、恣意的になったりする恐れがあり税金の使い方として問題です。

民営化を進める大田区における、基本である資産の移転についての考え方さえ整理できていないことが判明したため、到底賛成することはできません。