日本は「寄付」が根付かない社会であると言われています。
 
 しかし、GDP規模で比較すれば、日本の企業は欧米並みに寄付をしていて、日米の寄付の相違は、個人寄付が根付いているのか否かからきているというのが実態のようです。(日本の企業への寄付が寄付対象や金額が明らかにされていなかったり政党への献金が含まれるといった相違はありますが)【 NPOとお金】 
 
 税制優遇策が不十分であるとか、寄付文化が育っていないといった問題点は指摘されているものの、「寄付」を社会にどのように活かしていくのかという視点で様々な取り組みがなされているのが最近の流れです。

 また、銀行などでは融資を受けにくいNPOや市民活動を支援する金融のしくみも、少しずつではありますが、広がってきています。
その背景には、利率ではなく、自分のお金の使い道にこだわる市民の存在があります。

 一方で、寄付を公共サービスに活かしていこうという試みもなされています。 

◆寄付による投票条例
 条例により公共サービスのメニューを決め、市民が、自ら望むサービスに寄付をすることにより、実現を可能にするしくみが「寄付による投票条例」です。
 現在、全国で現在27自治体が導入し、今年は、10月末で、寄付総額1億円を超える規模になっています。
 ふるさと納税が、納入税額の一部を居住する自治体以外の自治体に納めるのに対し、「寄付」であること。また、「寄付」でありながら、その使いみちが自治体が定めるメニューに対して行われる(=公共サービス)という点に特徴があります。
 「寄付」を行えるのは住民に限りません。

◆市川市の1%条例
 住民税の1%を市民が望む、予め市に登録された市民活動団体の活動資金にすることができるしくみです。
 納入税額の一部に、住民の意思を反映できるしくみ。
 
ふるさと納税
 
 「協働」がもてはやされ、どの自治体も、「公」のあり方についての概念を大きく変えてきているなかで、「公」を支える財源についても、様々な方策が試みられたり議論されたりするようになってきました。

 「公」のありかたや自治体間格差の問題に加え、税金の使いみちに市民意見をどのように反映させていくのかと言ったことも、こうした「寄付条例」や「1%条例」「ふるさと納税」の背景にあるのかもしれません。

 税の使いみち(予算)を提案するのは「首長(区市町村長)」であり、その可否・是非を審議し決定するのは市民から「選挙」により選ばれてきた「議会」です。しかし、残念ながら、現在の議会が、税金の使いみちについて、市民の意思を十分に反映できるしくみになっているとはいえない状況です。

 本来自由な使いみちを選択できる「寄付」を公のしくみの中に取り組むと言った「工夫」をしなければ、市民が「公」に参加している実感を持てないのが、現在の地方自治であるといえるのかもしれません。

 市民活動と寄付の関係を書いた藤井良広先生の金融NPOー新しいお金の流れをつくる藤井良広;岩波新書にわかりやすく書かれていますので、興味のある方は是非お読みください。


なかのひと