行政(大田区)の説明責任と透明性の確保

 これまで、何度かこのブログでもお話ししてきた「大森北一開発」は、現在、事業者選定の段階に入っています。
 
 大森地域に公共機能の要望がありながら、お店をいれてしまうことについて問題を指摘してきましたが、区は「商業によるにぎわい」創出を大田北地域行政センターを移転させない理由として説明し、商業によるにぎわい」を区が行うべき事業として位置づけました。
 
 「開発対策特別委員会」における行政からの報告事項とそれに対する委員の意見、区の答弁について報告します。

 区は、大森北一丁目の土地に、以下の事業をおこなうための事業者を選定します。
①事業者と50年の定期借地権を設定
②事業者に建物を建設させる
③事業者は建物を区(図書館・出張所・駐輪場・集会室など)・及び民間(にぎわい創出のための商業施設)に貸し出す

 事業者は、それぞれが別の事業者であっても、また、この事業のための共同体を組んでも良いとされています。
 
 委員会では、

①選定の透明性・説明責任は果たされるのか
②選定基準はどのようになっているのか
③「にぎわい」の基準は何で、それを守る仕組みはどうなっているのか

といったことが、特に問題になりました。

①選定は、プロポーザルによって行われますが、選定委員は
 ・専門家3名
 ・区民代表2名
 としか公表されていません。

 また、選定委員会は非公開で、「開発対策特別委員会」委員の中に
 傍聴を希望する委員がいましたが、区長に確認した結果、傍聴は許され
 ませんでした。
 
 「開発対策特別委員会」においても、「地元では、事業者は決まっている
 うわさまで流れている。プロポーザルは、透明性と説明責任が確保され
 なければ、選定者(特に委員長)が強い決定権を持っているのでは」といった
 意見もだされました。
 
 区は、「選定委員会終了後、なるべく早い段階にできる限り委員会の内容を
 報告する」と言いますが、どこまでが守秘義務にあたいする内容で、どこま
 でを公開していくのでしょうか。

 選定委員会の公表については、様々な意見があるのかもしれませんが、
 通常、プロポーザルといえば、プレゼンテーションがつきもので、
 様々な創意工夫を凝らした事業者提案について、区民がそれを見る場面が
 あっても良いのではないでしょうか。
 大森北のこの土地に、このようなビルを建設し、事業展開することにより
 大森のまちをこのように変えて行きたい。といった事業者の計画を区民に
 示す場が与えられてもよいのではないでしょうか。設計を映像にして、
 視覚にうったえるプレゼンテーションなど、どの業者でもできることです。
 
 ②また、選定基準があいまいである上に、「選定基準は、1月23日の第一回
 選定委員会における議題である」と区は回答しましたが、これは大きな
 問題ではないでしょうか。
 本来、区が選定の基準を決定し、その基準に沿って、選定委員がそれぞれの
 判断において採点・評価をするのが「選定委員会」の役割であり、選定基準まで
 「選定委員会」に決定させるのでは、これまでの図書館・出張所の移転、土地
 交換、大森北の土地活用についての区の方針が無いといっているのと同じでは
 ないでしょうか。

③「商業によるにぎわい」についても、当初のプロポーザルの選定基準が
 あいまいなため、何をもって「にぎわい」とするのかさえ、「開発対策
 特別委員会」において未だに説明されていません。仮に、最初のお店が
 「にぎわい」のある店だとしても、それが5年10年と長期間にわたって
 継続されるものかどうかわかりません。

 区は、「にぎわい」の管理を「プロパティーマネージャー」に行わせる
 と説明しました。しかし、その内容があいまいだったため「プロパティー
 マネージャー」が「にぎわい」を創出するための役割や責任について
 「開発対策特別委員会」に文書で説明するよう求めました。
 結果として提出された資料が「不動産開発用語」として、一般的な
 「プロパティーマネージャー」の意味を書いた書類を出してきたのには
 驚きました。
 資料請求の内容を聞き漏らすほどに、いい加減な態度で出席しているので
 しょうか。或いは「開発対策特別委員会」がどのような場であるのかを
 認識していないのでしょうか。

 「にぎわい」ができなかったら、5年後、誰が責任を持つのかという委員長の質問に対し、区は、「契約の部分・選定の部分で十分チェックする」と答えました。
 その答えに対して、更に、契約の部分というが具体的には?とたずねたところ、「契約とは言っていない」と強硬に否定したことには大きな戸惑いを感じました。
 直前に発言した内容をそれほどまでに強く否定するほどに、「にぎわい」を事業者に守らせるしくみを作りたくないという意味に取れるからです。

 これが、区の遊休地であったり、余裕床部分についての話であれば、商業部分に入るテナントに対する区の責任はこれほど大きくはないでしょう。
 
 品川区が土地の一部を所有する大井町駅前の区の施設「キュリアン」が入っているビルは、商業施設が撤退しました。その後には電気量販店が入りましたが、区では、商業施設者に対し、雑居ビル化したり空き店舗が出てしまったりすることを防ぐため、一社に引き継ぐよう求めていたそうです。
 
 品川区が何ら拘束力を持たない民間事業者に対してもこうした指導ができるのであれば、大田区として区の土地に「商業によるにぎわい」を「北行政センター移転」に優先し事業決定したわけですから、事業が確実に遂行される仕組みを示さなければなりません。

事業者募集・選定のスケジュールは下記の通りです。

【応募期間】
  平成19年11月9日(金)〜平成19年11月22日(木)
【応募者からの募集要項に関する質問締切】
  平成19年11月28日(水)午後3時まで
【事業提案書提出期間】
  平成20年1月21日(月)〜平成20年2月8日(金)午後5時
【事業者(優先交渉権)の決定】
  平成20年3月末(予定)

*参考大森北一丁目開発募集要項


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