そのうち、大田区は、27団地の区営住宅の来年4月からの指定管理者を「東京都住宅供給公社」に指定しました。
今回の区営住宅の指定管理者選定については、公募ではありましたが、区営住宅管理に最も重要な住宅図面を東京都住宅公社しかもっていない状況のなかで、プロポーザルが行われています。
現在の住宅の状況や過去の改修履歴など、今後の維持・管理にきわめて重要な住宅図面がいち指定管理者である「東京都住宅供給公社」にしか無い状況での選考は、他の応募者に著しく不利であり、選定の公平性から問題があると考えます。
大田区でさえ住宅図面の一部しか保持できていない状況は、異常です。
東京都から移管された時点で、「東京都住宅供給公社」が管理することが前提の移管ともとれる大きな問題です。
また、今回の対象住宅は、区営住宅の中でも、東京都から移管されたほとんどの住宅のみに指定管理者制度が導入されている一方で、区が建設した住宅のほとんどは、業務委託を採用していてその区分の理由も合理的な理由が見いだせません。
結果として、東京都から移管された住宅は東京都の関係団体である「東京都住宅供給公社」、区営住宅は区の設立している「蒲田開発」が管理というのでは、民間開放とは言い難い状況です。
「中小企業者賃貸住宅」など同様の施設を、今回、公募で選定し民間が指定されている一方で、1000戸以上のボリュームの一括管理は、管理可能な事業者にも限りがあり、民間開放を目指しているのであれば、地域ごとに分割して募集するなど、工夫が必要です。
結果として、経済不況下における、新たな事業の創出は、区内産業振興に大きく寄与する効果的戦略ともなりえたはずです。
一括での公募は、現状管理に対する問題意識と今後の区営住宅管理の展望や大田区の指定管理者導入における戦略がみえず、公社ありきとも言える選考になっています。