大田区は、この緊急雇用対策を1月15日に公表し16日から応募の受付を開始しています。
◆応募状況◆
2月3日現在の応募状況は下記の通りです。
問い合わせ数:23件
応募者数:8名
採用数:6名
・HPや新聞の記事をみての応募が多い。
・問い合わせから応募に至らなかった多くは、区民で無かったり、昨年の
10月以降の雇い主の解雇という資格要件に合わない方たち。
◆就労分野◆
応募者は、各部署から出された仕事を選ぶことができるしくみになっているそうですが、実際に従事したのは、介護や子育てなどの事務で、他、放置自転車の整備などとなっています。
◆意外に少ない、問い合わせ・応募件数◆
雇用状況の悪化から考えると、応募者数23件は、非常に少なく感じます。
仮に、全員を採用できたとしても、大田区が募集している「ひと月あたり40名」の半数でしかありません。
◆求人と求職のミスマッチ◆
他の、同様の施策をとっている自治体にも言えることですが、それでは、なぜ、これほど、応募者数・採用数が少ないのでしょうか。
=安い=
今回の区役所の仕事は時給1000円になりません。
仕事が無いのだから、働けたらそれで良いのだということでしょうか。仮にひと月働いても額面で106,800円です。生活をしていく賃金として十分とは言えません。
=短い=
しかも、仕事は3月末までの短期間に限られます。2か月間この仕事に従事しても、2ヶ月後に仕事に就ける保証はありません。
=雇用保険を受給したほうが・・=
区は、昨年の10月以降に雇い主の理由で解雇された方を対象としています。
雇用保険に入っている方であれば、保険の適用を受けながら、より条件のよい仕事を見つけるための就職活動をするのではないでしょうか。
また、保険の有無にかかわらず、賃金が安く、短期雇用という決して条件の良くない仕事に、いま従事しても、4月以降の保証はありません。しかも、この就労がキャリアとして評価されるたぐいの仕事でもありません。
仮に、2月〜3月の間にさらに雇用が悪化してしまえば、その先の求職はさらに厳しくなるでしょう。であれば、今、急いで就職して時間を拘束されてしまうより、より条件の良い仕事を探すために時間を割くのではないでしょうか。
大田区の「雇用対策」への応募状況は、仕事をしたい人が少ないのでは決して無く、求人と求職のミスマッチの表れと言えるでしょう。
一方で、区民に限定した募集をしています。しかし、派遣切りなどを契機に雇用対策の必要性の機運が高まったことを考えれば、ネットカフェ難民などの対策も考慮し区民に限定せず支援すべきではないでしょうか。
大田区蒲田周辺には、多くのネットカフェ難民と呼ばれる方たちがいて社会問題としてマスコミにも取り上げられているのですから。