【その①蒲田五丁目マルエツ】
例えば、蒲田五丁目マルエツ隣接地で、買い手の少ないL字型の形状の土地430㎡、5億4千万円、坪414万円の土地購入の際の委員会での説明はこうです。
目的は未定。持ち込まれた物件を取得の緊急性もないにもかかわらずとりあえず買っているわけです。高値でつかみこの間いくら土地は値下がりしているでしょうか。また、「蒲田五丁目開発」や「大森北一丁目開発」のように公共需要がないとして、民間に貸し付けるのでしょうか。
購入した土地は遊ばせながら、昨年、今年と相次いで区役所本庁舎が狭くなったと周辺事務所ビルを高額の家賃を支払い借り上げています。グランドデザイン策定も終わっていない段階で購入し、この土地が本当に再開発のための種地になるのでしょうか。
用地購入して1年近くになりますが、未だに活用方針は決定していません。
購入金額が約5億4千万円ですから、この間の利子負担だけで安めにみても年間1000万円。目的無く購入した結果の無駄な支出です。
【その②中央五丁目】 購入目的が曖昧な例はほかにもあります。
従前は、購入しないと区が言明していた中央五丁目の土地。
オリックス不動産がマンション開発を断念した途端に、大田区が不動産鑑定を委託しているのが7月初旬ですから、急遽購入を決めたのはこの時期以前でしょう。
ところが、11月に大田区が公社に対して用地取得依頼をした際の契約書には、公園用地と明記されているにも関わらず、12月の委員会報告からまた突然、公園に「など」という文言がつき取得目的を変えてしまっています。
これなども、用地を業者から持ち込まれとりあえず買ったと言っていいでしょう。
大田区は、公共需要が急遽変わったという反論をするかも知れませんが、それ以前の昨年5月のこども文教委員会で、すでに、保育課長は、待機児が19年の144名から242名へと大幅に増えていることを報告しているのです。
待機児対策のためにあの場に保育園を設置することが適切であるかどうかという議論は別の場に譲るとしても、公園にするとして突然に買い。また保育園とする土地の用途を急きょ変更したのは、用途について精査していないことを表しています。このような突然の保育園建設は待機児対策としての計画に基づき行っていなかったということです。
【区の計画に基づかない購入】
区は、「大田区公共施設整備計画」を策定し、計画的な整備方針や今後の財政負担を踏まえた具体的な整備計画方針を示すとともに、規模の適正化や施設の複合化、用途の転換など公共施設を地域資源として有効活用する視点が必要であるとうたっています。
しかし、この、間実際に行われているのは、たとえば出張所などでも、単なる既存建物の建て替えでしかなく、新しい時代にふさわしい機能の見直しや施設の充実もありません。これで地域のコミュニティーの支援の拠点になるのでしょうか。
高齢化や女性の就労ニーズの高まり、地域コミュニティーの醸成といった公共施設需要の変化や高度化、資産有効活用の要請に対応した施設のありかたについて具体的な検討の動きはどこにもありません。
施設整備計画は、非常にあいまいな内容で、無計画に従前通り建物を建て直すことを許す根拠になっていないでしょうか。