前回行われた説明会(活動報告を参照)で、保育園建設について賛否が分かれると共に、保育園建設についての根拠が十分でなかったことから、再度説明会が開催されました。

  区は、この説明会をもって全体的な説明会は最後とし、今後、質疑のある区民に対しては個別に対応し、保育園着工にむけ事業を開始します。

 前回に比べ、参加者が少ない中行われた説明会でしたが、果たして、当初の住民が要望していた根拠となりうる十分な説明はなされたのでしょうか。
 
 また、こうした事業計画や決定の方法に課題は無いでしょうか。

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 過去、2回にわたり行われた説明会ですが、今回、説明会を開催したのは、次のような要望が住民から出されたためです。

 当初、緑地公園用地として購入した土地であるにもかかわらず、予定を変更し、保育園建設するというが、この場所に保育園建設する必然性があるのか十分な説明をしてほしい。

 これに対して、区は、前回同様、

 「新井宿出張所管内に待機児が多い」という状況に加え、「平成21年現在の未就学児に対し必要な保育提供数が、平成29年には更に増える」という予測データをもとに、保育園建設の必要性について説明しました。

■大田区の示したデータ■  

*保育ニーズ予測
             平成21年      平成29年
未就学児童数       31,234名      28,188名
保育サービス提供数    9,553名 10,711名(平成21年比 1,158名)
保育サービス定員率    30.5%      38%

 区の説明によれば、

 平成21年現在の未就学児童は31,234名でそのうち、保育サービスを必要とする人は、9,553名。これは、現在の就労等の人数から割り出した30.5%(これを区は保育サービス定員率とよんでいました)という数字をもとに算出している。
 これが、平成29年には、少子化により子どもの数は31,234名から28,188名に減少するものの、保育ニーズは高まり、保育サービス定員率が30.5%から38%になるので、必要な保育サービス提供数が1,158名分増える。

 前回、区は、現在の待機児をもって、中央5丁目に保育園建設が必要であるとしましたが、大田区は、今年度中に待機児0にすると公表しており、今回の中央5丁目の保育園建設が、現在の待機児対策ではないことがわかります。

 そこで、区は、今後増えるであろう保育ニーズをもって保育園建設の根拠にしたと思われます。

 しかし、説明会に参加した区民も指摘したとおり、「予測するのであれば、新井宿管内(など地域ごとの)保育ニーズを予測しそれをもって根拠とすべき」であり、大田区全体の保育ニーズが増えるデータでは、中央5丁目の保育園建設の根拠にはなりません。区内、どこにも保育園建設や配置が必要であり、建設が適当であるという判断になってしまいます。

 また、何より問題なのは、大田区には、現時点で、今後、増えると大田区が説明する保育ニーズ対策のための「保育園配置計画や方針」が無いことです。
 
 建設予定の保育園は、区の土地を30年間保育園事業者に貸し出し、民間事業者が保育園を建設して運営される民立民営の認可保育園です。
 定期借地というこのままのスキームでいけば、保育園は30年間この地で運営されることになります。しかし、区は、保育ニーズ予測も立てていなければ、民営化・民間委託なども含めた保育園配置計画計画も策定していません。
 昨年よりスタートした10カ年計画にも保育園配置の長期的展望は示されていないのです。
 
 
 地域限定の一部の区民への説明会であり、しかも、参加した複数の区民の計画の根拠に対する疑問が解決されないままに保育園建設が始まろうとしています。
 
   


なかのひと