昨年の第一回定例会の際に、要綱行政の問題について取り上げました。
 区政は、選挙によって選ばれた議員が構成する議会の議決に基づく条例に基づき執行されること、特に、区民の権利義務に関わる事項は、条例によって規定するのが大原則ですが、要綱と呼ばれる、行政内部の規定により、区政のかなりの部分が運営されています。(国政でいう政令の位置づけでしょうか)
 それでいながら、どのような要綱が存在するのか、議員さえ、あるいは、職員でさえ自分の関わる部署の要綱しか知らないのが実態です。
 そこで、昨年の第一回定例会において、要綱で定める範囲を限定するとともに、基準を設けること、そして、公開することを提案しました。
 その結果、HPでの公開が約束され、4月から大田区のHPに要綱が掲載されています。  今日は、大田区の要綱行政の実態について報告します。
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 今回掲載された要綱は全部で552。
 議会質問でも一例として取り上げましたが、「大田区重度身体障害者ガイドヘルパー派遣事業」は、余暇も対象としていますが「障害者ハンドブック」に余暇の記載が無かったため、支給の対象となることを知らなかった方も多かったはずです。

 区民を始めとした多くの人の目にさらされることで、事業の運用の適正化につながることを期待したいと思います。
 
 しかし、一方で、今回、HPへの掲載を見送った要綱等は802あります。

 これは、私が、議会事務局に調査依頼した資料に基づいた数字です。

 掲載をしない理由の中で目立ったのが「事務処理を規定した内容であるため」で、特に「こども家庭部」「教育委員会」に多くみられました。

 これらの要綱は、果たして、全て内部事務処理規定と言えるでしょうか。

 たとえば 「大田区認証保育事業実施要綱」「大田区緊急保育実施要綱」・・・など、タイトルから推測すると区民生活に大きく関わるであろう多くの要綱が「内部事務にかかる要綱のため」という理由で非公開になっています。
 他にも、「こども交流センター活動事業費補助要綱」をはじめ、多くの補助金支給の基準にかかわると思われる要綱が「内部事務・・・」という理由で非公開になっています。

 一方で、部署により、公開・非公開の基準にばらつきがあるように見えるのも問題です。
 各部署ごとの判断にまかせるのではなく、
1.大田区としてそもそも条例・要綱・要領・規定・区長決定・・・で規定するものは何なのか
2.そのうえで、大田区としての要綱の公開の基準
を明確にすべきです。

 中には、検討中や登載予定などという要綱も少なくありませんでしたが、公開・非公開の基準があれば、長時間検討する必要はありません。
 
 大田区は、要綱による区政執行をある場面では機動力がある=つまり、すぐに決めたり変更したりできると評価しますが、別の場面では、要綱のため強制力がない、規制できないと区民の言い訳に使っています。
 事業者も含めた区民の権利や義務は「条例」よらなければ規定できませんから、その効力は明らかです。

 この要綱のHP掲載を機に、要綱の位置付けが明確になること。そして、区民生活の権利義務に関わる規程が、議決を経ない要綱から、議決を経て決定する条例による区政執行に変わっていくことを期待します。


なかのひと