大田生活者ネットワークは、
第62号議案「大田区立区民センター条例の一部を改正する条例」
について反対の立場から討論いたします。

この条例は、大田区立区民センター条例の一部を改正し、これまで区の直営であった区民センターの管理を指定管理者に行わせ、利用料金制度を導入するための
条例改正です。

区民センターは、区民に研修、集会の場等を提供することによつて、区民の文化活動及び地域活動の促進を図り、文化の向上、地域の振興に寄与するための施設です。高齢者施設、集会施設、体育施設を備え、世代を超えた区民の集いの場になっています。

大田区は、この施設に利用料金を導入しようとしていますが、減免も多く、地域のコミュニティー形成のための施設に利用料金はなじみません。

また、今回の条例改正に先立ち、大田区では、指定管理者制度検討委員会を立ち上げ、区民センターの現状と課題について3回にわたり検討を行ってきています。生活者ネットワークの奈須りえ議員が第二回を傍聴しています。第二回の課題は、既存事業の評価と自主事業の展開、施設修繕のリスク分担、自主事業の収益性、利用料金制導入によるインセンティブの付与など、指定管理者制度導入に極めて重要なテーマでしたが、第二回検討委員会の中で、区民センターという施設の目的や性格から指定管理者制度や利用料金制の導入の是非についての議論はみられなかったと聞いています。
第三回は傍聴できなかったため、資料を要求したところ、委員会に配布された指定管理者制度検討委員会報告書は、いただくことができませんでした。

条例提案に先駆け行ったはずの専門家と区民との検討会の報告書無しに、指定管理者制度導入と利用料金制採用の議案を提出することも問題ですが、はたして、この検討会が区民センターに指定管理者制度利用料金制を導入するための場としてどこまで議論できていたのかも疑問です。

政策決定において第三者の意見を聞くとともに、区民参画を促すことは非常に重要で、今回の検討会自体は評価いたしますが、結果として、それが形骸化してはいないでしょうか。
しかも、今後、どの区民センターに指定管理者制度を導入するのか決まっておらず、それを区長に委ねてしまうのが今回の条例改正で、議会軽視、つまりは、区民軽視もはなはだしいものがあります。

こうした判断も、指定管理者制度検討委員会や大田区での議論や検討が十分ではないことの証ではないでしょうか。

一方で、大田区は、今後の財政状況の悪化や、高齢化、人口減少に備え、大田区財政に大きな負担となっている施設整備を抑えながら、より高い区民ニーズにこたえていくために、施設の合築や複合化は欠かせません。

大田区でも、ようやく、合築、複合化を言うようになってきていますが、はたしてどれほど十分な検討がされているのか疑問です。

例えば、今回議案になっている大森南保育園は、以前は出張所と保育園の合築施設でしたが、結果として、1つだった施設は、保育園と出張所2つの施設に分かれてしまっています。例えば、大森東地域センターなども含めた地域機能をどうしていくかと言った視点は無かったのでしょうか。結果として交通公園になってしまったミヤデラ跡地ですが、2/3は既にアスベストを除去していることを考えれば、2/3の土地の有効活用するという考えもあるのではないでしょうか。

そもそも、指定管理者制度導入や区民センターをどうするのかと言う狭義の検討ではなく、広く、大田区の区民施設を今後、区民がさらに活用しやすくし、区民福祉に寄与していくため、どのように維持管理していくのかというマクロ的視点に立った検討が必要ではないでしょうか。

このような観点から、今回の条例改正には、疑問が残るため、反対いたします