大井ふ頭その1・その2間の公有水面の埋め立てについて、東京都から求められ、大田区が行った意見の陳述について議決を行いました。

大田区は、道路整備と周辺の違法駐車対策、および交通渋滞の解消や分散化と、周辺環境の影響保全と警官の確保について意見を述べています。そして、この区域は大田区に帰属することから早急に行政区域を確定すべきとしています。

それでは、大田区は、この埋め立て事業の前提となる経済状況とそれに連動した物流港湾計画やこの埋め立て事業により中央防波堤も含めた東京都の埋め立て処分計画への影響についてどのように理解・判断し、この意見を述べているのでしょうか。

物流における東京港の落ち込みを食い止めることは課題ですが、過剰な設備投資は避けなければなりません。
また、大田区の産業戦略に連動した整備になっていればよいのですが、物流における大井ふ頭その1・2の活用の検討は大田区において俎上にあがったことすらありません。

東京都の港湾計画に対する評価や川崎、横浜など全体的な港湾運営を見通したうえで、大田区としての経済戦略あっての意見陳述のはずです。

一方で、中央防波堤は、東京最後の埋め立て処分場といわれ続けてきました。

23区は、不燃ごみだったプラスチックを焼却するなどその延命策に協力してきたわけです。
埋め立て処分場には、下水汚泥、建設廃棄物、港湾浚渫度など様々なものが埋め立てられています。

ところが、今回の埋め立て処分に伴い、埋め立てる土壌は188万㎥。それを4年間かけてうめたてるという事業内容が示されています。
この188万㎥が中央防波堤埋め立て処分量や今後の埋め立て処分計画に与える影響などについても大田区は把握して、意見を述べているのでしょうか。

23区長会は、議会にかけることなく、11月24日、宮城県の災害廃棄物40万トンを受け入れる協定を締結したと公表しています。
被災地の災害廃棄物を受け入れる余裕と、こうした埋め立て処分計画との関係を検証する必要はないのでしょうか。

そこで、議案提出時に、埋め立て事業の前提となる経済状況とそれに連動した物流港湾計画や、この埋め立て事業により中央防波堤も含めた東京都の埋め立て処分計画への影響について、大田区はどのように理解・判断し、この意見を述べているのか。その前提となる大田区の見解や、その根拠となる資料を請求しましたが、議会が求めれば出すという「お決まり」の言葉で、示すという確約を得ることができませんでした。

私は、「議会」が求めればというのは、積極的情報公開をしたくない時に出る言葉だととらえています。

なぜなら、厳密には、議員に調査権は無く、「議会」に与えられているからです。

そして、「議会」は、「私」が資料を請求しても、「議会」として資料請求してくれません。
「個人」で、出してもらえというのです。

「議会」は、与えられた「調査権」を行使して、事実を知り、問題を明らかにししようとはしないというのが、これまでの私の議会経験からの実態です。

そして、行政は、そうした議会だから「議会」として資料を求められれば出すというのです。

結局、公有水面埋め立てについての是非を判断する十分な情報を得ることはできず、審議を行わなければなりませんでした。

委員会の審議過程で、資料を求めましたが、審議する委員が資料請求しても、職員が必要ないと決めつけるなど、表面的説明だけで議案を審議させようとする姿勢は、行政としてあるべき姿とはとうてい言えない状況でした。

こうした形で、情報を十分に提供せず、議論させずに賛成へと導くことが、「東京都を守り」「区長を守っている」ことになると信じて行っているのでしょうか。

審議の後、委員会で現地に視察にまいりましたが、現在のコンテナ置き場にも、空コンテナが積まれ、物流量増加による場所確保というよりは、物流の滞留により東京港からの積み出し荷物の激減が置き場の需要につながるのではないかという懸念を持ちました。
コンテナ需要の根拠についての説明もなく、公有水面埋め立てそのもに賛否を示すことは到底できません。

また、仮に埋め立て処分場が必要だとしても、大田区に空コンテナ置き場を作ることがはたして大田区の経済にとって有益かどうかの判断もつきません。

東京都の埋め立て事業で、埋め立て処分場が完成した後も、土地は東京都が維持管理すると説明を受けましたが、これも委員会外における質問に答えたものでした。土地を民間に売却するとなれば、また、その処分先も大田区にとっては大きな影響がありますが、そうした重要な情報さえ示さず、議員が気付かなければ、大切な問題も議論にさえ上らないのが、現在の議会の審議です。

財政、環境、経済、交通等に大きな影響を与える公有水面埋め立て事業への、大田区の意見に賛否を表明することはできず、継続を主張しました。