長崎市の公道に設置されている、斜面移送機器を視察しました。
 
 長崎市は、その面積の約7割が斜面という、坂道の多い町です。
 特に斜面市街地では、人口減少と高齢化によって、近隣商店街がさびれ、住宅の老朽化が進むなどまちの活力が衰え始めるという問題を抱えています。
 
 そこで、高齢者や小さな子どもを抱えるなど、斜面移動が困難な住民への斜面地のバリアフリーの対策として、長崎市は公道斜面に移送機器を導入しています。

 グラバー園に設置されている機器は、観光者を対象としていて、管理者が運行の操作をしていますが、他の機器は、登録し磁気カードを受領した使用者が、その磁気カードを使って一人で運行できるようになっています。

 安全性を確保するために
●登録し磁気カードを受領した地域住民だけが使用できる
●運行速度は15m/分
●対人・対物超音波センサーによる自動停止
●タッチセンサーによる緊急停止
などが配慮されています。

 利用は、地域の、
●65歳以上
●階段歩行の困難な方
●病気通院のある方
●乳幼児のいる家庭
を対象としています。

 利用者年代の約7割は60歳以上。移送機器を設置したことで、外出機会が増えたそうです。
 課題は、法的な位置づけに加え、機器の大きさと道路幅があげられていました。歩行者通行幅0.75mと機器本体の1.2mを確保すると、2m以上の道路幅が必要になりますが、斜面は道路幅が狭いところが多く、2m以下でも設置可能な機器の改良が求められています。

 この、斜面移送機器を視察して思い出したのは、蒲田の駅と駅ビル(パリオ)を結ぶ階段に設置されている段差解消機です。
 現在、この段差解消機は、建築基準法の関係で、ビル管理者によって運行されています。段差解消機利用者(=主に車いす使用者)は、ボタンを押してビル管理者を呼び、来てもらわなくては階段を上り降りすることが出来ません。
 
 道路に設置されている同じような機器が一人で使用されていて、安全性が確保され、利便性があがったという事例に、蒲田駅の段差に何か良い方法は無いものかと、改めて思います。

*写真はグラバー園に設置された斜面移送機器