昨年、厚生労働省では、全国に38万床ある療養病床を15万床に削減する療養病床の再編を打ち出しました。
 今後、平成24年度までの6年間をかけて、医療サービスの必要性の高い人以外は、老健施設等への転換を促されることになります。

 いわゆる社会的入院とも言われる、高齢者の療養病床ですが、医療保険を適用する医療療養病床と介護保険制度を適用する介護保険型療養病床の二つの種類があります。

 双方ともに、老人保健施設や特別養護老人ホームなどに比べ、人員配置も厚く、経費がかかること。そして、療養病床に入院されている方の中に、医師の指示の変更がほとんど必要ない方が含まれていることから、国は、医療型療養病床を存続させ医療サービスの必要性の高い高齢者を対象とするとともに、介護療養病床を平成23年度末で廃止し、介護報酬や診療報酬の改定により、老健施設への誘導策をスタートしています。

 現在、大田区には、療養病床数が757。 
 うち、介護型が232床ですから、医療型は差し引きの525床。

 これらのベッドに入院する全てが大田区民であるというわけではありませんが、一方で現在、介護保険を利用していて、介護型療養病床にいる方が、大田区には503人いるという数字をみますと、療養病床757人より多くの大田区民が療養病床にいる可能性もあることがわかります。

 国は、療養病床を削減し、老健施設やケアハウスへと言いますが、厚生労働省が本年3月に公表している療養病床アンケート結果によれば、転換を促されている療養病床を持つ施設の多くが、現段階で、どのような選択(老健施設やケアハウス、或いは、介護療養施設は医療療養施設へ)をするのか未定であり、スムーズに療養病床から転換した老健施設やケアハウスに移行できるかは不透明です。
 
 また、現実に、療養病床に入院されている方の約1/3は要介護5。特に介護療養病床に限っては、半数以上が要介護5であるというアンケート調査の結果もあり、重篤な状況にあるこれらの方たちが、病院の経営方針などで、行き先を失うことも考えられます。
 今後の施設の経営方針をきめ細かく情報収集するとともに、区として、療養病床から転出せざるを得なくなった方たちへの対応について、区の実態を早急に把握する必要があります。