就労の取り組み

自立支援法スタートにより、障がい者の就労は、障がい者施策の中でも、今後もっともっと力を入れていかなければならない課題です。 

 都立矢口養護学校の学校公開日にあたり、高等部三年生の就労の授業をみせていただきました。

 矢口養護学校では、高等部一年のときから計画的に就職を視野に入れたインターンシップ(体験就職指導)を行なっています。
 一年生の時には一日。二年生になって春に一日、秋に数日。そして、三年生になると希望の職種の更正施設や民間企業に、一週間から数週間程度のインターンシップを行なっています。

 生徒たちの希望するインターンシップ先を確保するため、先生方は、電話帳を片手に、片っ端から電話をかけ、そこが支店や支社であれば本社まで掛け合って、インターンシップの受け入れをお願いしているそうです。 
 「先輩が就職したのと同じ業種に就きたい」「修学旅行にいって旅行関係の仕事がしたくなった」・・・そうした希望のひとつひとつに応えようとしている先生たちの努力が、矢口養護学校の数多くの民間企業へのインターンシップを可能にしています。

 昨今、一般就労であっても、一年で半数は離職すると言われている中、矢口養護学校の、就職三年後の定着率が90%であるという数字には大変驚かされました。

 矢口養護学校の就労への取り組みと共に、こうした実績を支えているのは、下丸子作業所や新蒲田福祉センターなど大田区がフォローアップを丁寧に行なっているからなのだそうです。

 大田区の知的障がい者の就労が良いという話は聞いていましたが、この、大田区の就労先確保のための地道な働きかけとフォローアップは、大田方式と名づけられ、厚生労働省からも非常に評価されているということです。

 就職しても様々な困難や迷いからこのまま続けていくことに自信を失いかけることは、誰もが経験することです。特に、障がい者の就労にあたっては、家族も含めた周囲の理解が必要であり、そこに、経験をもった専門家など(ジョブコーチ)が支援をする体制を作ることは非常に重要です。
 知的障がいに限らず、こうした相談員(ジョブコーチ)の配置は、障がい者就労拡大に欠かせません。自立支援法施行により、精神障がい者がようやくその対象となりましたが、精神障がい者への就労においても同様のことが言えます。