大田区大森南にある森ヶ埼水再生センターに施設見学に行きました。

水道水を使い、それを活用したのち、下水に流す。この当たり前の暮らしを改めて見つめる良い機会になりました。

大田区を流れる呑川も今回スタート地点である池尻大橋付近で見学した目黒川と人口せせらぎもそうですが、自然の水源(=湧水)が既に無くなっていて、下水処理水を放流して水量を保っています。
下水処理水でありながら、必ずしもきれいで無いのは、雨が降った際に、下水がこれらの河川に流れ込む構造になっているからです。

下水は、その全量が下水管を通じ下水処理場に運ばれるわけではありません。

特に、早い段階で整備された都市部の下水は、合流式と呼ばれる雨水と汚水を一緒に流す仕組みになっているため、下水間の許容量を超える雨が降ると、下水から汚水があふれ出てしまうため、そうならないよう、河川に流れ出すようにしています。

その流れ出す先が、目黒川であり、呑川なのです。

雨が降ると、河川のところどころに作られている下水排水溝から汚水が流れ出てくるのをご覧になったことのある方もいると思います。

特に、海に近い低地を流れる呑川の河口に近い部分は、海の干満に影響され流れが滞留してしまいます。呑川とJR京浜東北線の交差するあたりは、ちょうど川が蛇行しているあたりでもあり、水が滞留し土砂や汚物が堆積しやすくなっています。

河川を浄化するには、自然浄化力を高めるとともに、この下水をいかに、直接河川に流しこまないかという課題があります。

そのためには、いかに雨水を下水に流しこまないかという課題があるわけですが、都心部で行っているのが

①地下に浸透させる。
②貯留施設を作る。

という二つの方法でしょう。

①の地下浸透は、個人住宅への浸透ますの設置助成や、浸透ますを設置しなかったら、建築確認をおろさないなど、さまざまな工夫をしている自治体があります。

②の貯留施設については、大規模開発において設置基準を設け設置を促すといった方法がとられているのが、一般的です。

大田区の場合、下流域にあることから、地下浸透が難しく、特に低地部では、貯留施設の方が有効な側面もあります。

雨水は、蒸留水で降る際に、ほこりなどが混ざることもありますが、きれいな水で、一気に下水道。河川への流出を防ぐことは洪水対策になるとともに、と水資源の有効活用でもあり更に活用するが水循環を変える可能性があります。

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一方の、下水を流れた汚水は、世田谷目黒大田などの地域では、森ヶ埼水再生センターで処理されています。

これまで、外からしか見ることのなかった下水の処理の現場を見せていただきました。

大きなゴミを除いたのち、バクテリアで有機物を分解し、有機物を体内にとりこんだバクテリアを沈殿させ、さらにろ過したのち、大腸菌を塩素で殺菌して海に流すという作業を行っています。

森ヶ埼水再生センターでは、これらの作業を12時間かけておこない、日量120万㎥処理していますが、これは、昭和41年建設当初は、東洋一の規模。現在でも日本で一番大きな下水処理施設です。

23区のほぼ1/4に当たる地域の下水をこの森ヶ埼水再生センターで処理していることになります。

今回は、池尻大橋の目黒川を歩いたのち、両岸を植栽で美しく整備している人工せせらぎを散策し、地下を流れる下水をモニタで見たあと、バスで、山手通り⇒第一京浜森ヶ埼とほぼ下水の流れに沿った形で移動しました。

下水であれば、経堂の生活クラブ館を出た排水は、森ヶ埼にたどり着くまでに約6時間かかるそうです。

森ヶ埼につくまでの間に、下水に係る様々な説明を元東京都下水道局の方から伺いました。

◆目黒川の水も呑川と同じで落合浄水場の処理水。一日3 万トン放流されているが、これは、幅5mとすると目黒で水深約15~6㎝。

◆23区内のマンホールの数は、48万個。

◆23区の下水道総延長1万5千㎞。全国で42万㎞。

◆23区内88か所で、いったん調整池で貯水している。
 最初に降った雨は路盤を洗っている水のため、汚れているからという説明。

◆下水道局では再生水を売っているが収支はマイナス。

◆大きな下水管は直径8.5mくらい。

◆一番古い下水管は明治17年18年前後に作られていて、現在も神田で使用されている。

◆昭和初期に作られた下水施設は、1haあたり40人~60人程度済んでいることを想定しているが、現在は何万人にもなるだろう。

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特に、今回は、<a href=”http://tokyo.seikatsuclub.coop/life/course/2012/water.html/“>連続5回講座</a>の最終回で、私が参加した2回目の雨水利用も勉強になりました。

<<第1回>> 私たちの身近な化学物質について

合成洗剤と石けんの違いや身近にあふれる化学物質について理解し、生活者の視点で化学についての生活知識を身につけます。

<<第2回>>  雨水利用のすすめ
 
雨って何だろう?雨水を暮らしに活かすって?など、実験を交えて学びます。会場となっている生活クラブ館の屋上に設置されているレインバンクも見学します。(共催:住まいと暮らしの講座)

<<第3回>>  除菌社会を問う

私たちの体は様々な常在菌と共生しています。清潔・キレイ社会の裏側にある化学物質から地球環境問題について回虫博士の藤田先生から学びます。

<<第4回>>  私たちが流した水はどこにいくのか

私たちが家庭で流す水は、それが最後の関わりではなく、どこかで食材を育む源となり、あるいは飲み水として再び私たちの元に戻ってきます。そうした循環を知ることで、水の大切さを学びます。

<<ツアー>>  私たちが流した水はどこにいくのか
~森ヶ崎水再生センター見学~

普段気がつかない「下水」の実態を知り、森ヶ崎水再生センターの裏側を見学します。再生センターまでの下水道幹線を辿るところから、処理水として海に排水されるところまで下水道処理の全工程を見学します。