除去の現場から

 アスベスト製品は、今後、新たに作ったり使ったりすることが既に原則禁止になっています。
 これからのアスベストを吸い込まないための防止策の重点は、アスベストを使用した建築物の解体作業時における対策や、建築物に吹き付けられたアスベストの適切な管理などになります。

 先日、出席したアスベストセンター主催のシンポジウム「適切な吹き付け石綿除去工事を2006年夏」(6月日の報告を参照)でも、アスベスト除去作業業者・㈱建通新聞社・厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課・作業環境測定士・環境コンサルタントなど様々な立場から、今年の夏に吹き付けアスベスト除去工事が集中されることが予測されるため、除去工事を適切に、安全に行うための助言・提言が行われました。
 工事が集中して行われるということは、これまでアスベストの除去工事をした事の無い、或いは、経験の少ない業者や経験の少ない作業員が工事を行うということです。

 残念ながらシンポジウムで予測した不適切なアスベストの除去工事が新潟県佐渡市の両津小学校で行われ、教諭と児童がアスベストの粉じんを吸い込んでしまった可能性のある事故が既に起こったことは皆さんも既にご存知のことと思います。

 アスベスト除去工事は、「除去するアスベストを作業者が吸い込まないこと」そして「周囲に飛散させないこと」が重要になります。
 そのために、作業者の防塵服・マスクなどの着用と外部へ持ち出し飛散させないようにする対策や、除去作業現場のアスベストの混じっている空気が外部へ流れ出ないための万全の対策がとられます。
 横浜市の学校のアスベスト除去工事に際して、市が立ち入り検査を行っている様子が報道されました。
 作業開始前に、これらの対策が十分であるかどうかのチェックを行っている様子が報じられましたが、
●アスベストの混じっている空気が外部に流れ出ないために除去現場を外部から遮断するためにビニルで密閉する方法が不十分で隙間があるためそこからアスベストが飛散してしまうこと。
●内部の空気圧を外部より低く保つことで万が一密閉している一部に穴などがあいても中のアスベストを含んだ空気が一気に外部に飛散しないように『負圧集塵機』を設置していますが、『負圧集塵機』のからの排気が十分でないこと
などが指摘されていました。
 
 たまたま検査を行なった現場でこうした重大な不備が指摘されている報道を見ていても、この夏に全国で行われるであろう工事が、十分に安全に行われるのか大変心配です。