尼崎市の場合

 一方で、今後のアスベストの被害者を予防するために最も重要なのは、建物の解体時の飛散をどのように防いでいくかということです。

 尼崎市では、いち早く建築物解体時の自治体による指導の強化の必要性を認識し、様々な取り組みを行っています。
大田区でも行っている吹きつけアスベストの調査費用の補助に加え、除去費用についての補助を行っています。
 
 また、市内建築物の地図情報から、吹付けアスベストが使われている可能性がある建築物(構造及び建築年から判断)のリストを作成し、解体等に関する各種届出の受付時に照合するなど、適切な指導を行うためのシステムを構築しています。さらに、このシステムでは、地図上の建築物それぞれに、届出状況、指導状況等のデータを記録、蓄積しています。

 このシステムを利用して、吹付けアスベストが使われている建築物が届出なく解体されないよう監視強化しています。

 公害対策課の巴参事にアスベスト成形板の取り組みについて伺ったところ、尼崎市では、全ての解体工事の現場に労基所とともに行っているそうです。現場においてアスベストの有無について確認をし、成形板についても、石綿障害予防規則に定められている事前調査書類によりアスベストの無いことが証明できなければ、アスベストがあるものとして手壊しによる解体を指導しているそうです。

 その結果、尼崎市では解体についての指導がきちんと行われていることが業者間にも浸透し、飛散防止の対策がとられた適正な解体作業が行われるようになっているということでした。

 公共の建築物の吹きつけアスベストのチェックと除去は進められていますが、民間建物の取り組みは、まだまだです。
 解体の窓口である自治体の取り組み如何が、今後のアスベストを飛散させるかさせないかの大きな分かれ道になります。