第三回定例会代表質問から

 今回の区営住宅のひる石(アスベスト)の囲い込み工事について取り組んできたのは住宅課でしたが、実際の工事の発注者が区営住宅の維持管理を行う「東京都住宅供給公社」になっていることに違和感を覚えました。
 これまで時間をかけ工事の方法などについて検討を重ねてきたのは住宅課でありながら、発注段階になって突然公社が現れたように感じたからです。

 ふじみ野市で起きた痛ましいプールの事故は、管理委託を受けた事業者が市との契約に違反して下請け発注していたものですから状況は異なりますが、担当課が主導で対策を講じてきた工事について、指定管理者だからというだけで発注者になるのだとすれば、責任の所在があいまいになり問題です。

 区は、このひる石の囲い込み工事を東京都住宅供給公社に行わせるために協定書の一部変更について(協議)という書面を提出しています。しかし、書面にはアスベストの囲い込み工事を行うという記載はどこにもありません。

 東京都住宅供給公社は指定管理者として区営住宅の維持管理を行っています。指定管理者としての指定にあたっては、公募ではなく特命随意契約を行っています。
 随意契約を行うほど公社が区営住宅の管理にふさわしい理由として
①住宅状況を熟知している
②36万戸の公的住宅の管理を行っている企業で長年のノウハウを蓄積している
③団地を熟知していることから的確な維持修繕が図れるとともに建物の経過年数・修繕履歴・劣化状況を総合的に判断した適切な計画修繕が図れる
ことなどをあげています。

 アスベストセンターの事務局長とで東京都住宅供給公社との懇談の場を持ちましたが、住宅供給公社は今回のひる石の囲いこみ工事について飛散性アスベストには該当しないと言っています。たとえ、住宅の図面を所持し、長年にわたり管理してきたといっても、アスベスト除去の工事について区との認識が異なった状況で安全な囲い込み工事が行えるのでしょうか。
 
 また、公社は3年間の協定を結んで区営住宅の管理をしている事業者です。ということは三年後には変わる可能性があるということです。こうした長期的な書類の保管を要する、また、アスベストという区民の健康に大きなかかわりを持つ工事について、指定管理者だからという理由で、東京都住宅供給公社が第一義的な責任の発生する発注者になることには無理があるのではないでしょうか。

 今回のひる石の除去工事追加にかかわる増額費用は、2千6百1万4千65円。このうち一割225万2千3百円が東京都住宅供給公社の受け取る事務費です。一律に一割の事務費を住宅公社に計上しているのであればそれもまた問題です。

 慣例として、追加の修繕や改修がでれば公社と追加工事の契約をしているのかもしれませんが、一番困難な現状把握や居住者対応、そして安全性を確保しての最適な工法の考案と選択は大田区が行い形式的に発注者を東京都住宅供給公社に行わせているのであれば、指定管理者制度の本旨を活用できておらず、この事務費は無駄な費用であるといわざるを得ません。

 多くの区営・都営住宅を維持・管理しているのですから、東京都住宅供給公社が管理する住宅のアスベストとその対策について十分な知識を持つ必要があるとともに、区としての責任と指定管理者である公社の役割について明確にしなければならないと考えます。